友蔵・心の俳句、藤木の卑怯キャラ…『ちびまる子ちゃん』のド定番ネタのルーツとは?
たまちゃんのパパの定番ネタといえば?

●たまちゃんパパの「娘の写真」へのこだわり
続いては、まる子の親友であるたまちゃんのパパの定番ネタです。たまちゃんパパと言えば、優しくて娘には甘い理想的なお父さんですが、一番の特徴は、娘の写真を撮ることに情熱を燃やす、特殊なカメラマニアという一面でしょう。
どうして彼がそんな風になってしまったのかがわかるエピソードがあるのは、1996年5月19日と26日に放送された第72・73話「まる子潮干狩りに行くの巻」(前・後編)です。
まる子、たまちゃん、たまちゃんのパパ、友蔵の4人で潮干狩りに行った際、ふと友蔵はたまちゃんパパに語り出します。「たまちゃんもいつか嫁に行ってしまうんですね」「この今日の潮干狩りも嫁ぐ日の思い出になるんでしょうね…」と。
この友蔵の言葉に、最初は戸惑うたまちゃんパパでしたが、だんだんと「今は空気のように、あたりまえに毎日見ているおまえの笑顔がいつか遠くへ行ってしまうんだね…」と感化され、その日からあらゆる「たまえ(たまちゃん)」を撮影するようになりました。
ここからキャラがどんどん進化し、現在もたまちゃんパパは情熱的に娘の写真を撮り続けています。
●藤木くんの「卑怯」キャラ
まる子のクラスメイトである藤木くんの「卑怯」キャラも定番ネタのひとつです。こちらは1995年8月27日放送の第34話「まる子 きもだめしに出かけるの巻」が大きなキッカケとなっています。
タイトル通り、とある夏の夜に近所の墓場に肝試しに出かけたまる子たちでしたが、まる子とペアになった藤木くんは、あまりの怖さに「悪いけど…オレ…帰る…帰るよ…」と、途中でまる子を置いて逃走してしまいます。
その後クラスメイトたちからは「藤木の野郎、女を見捨ててにげるなんて最低だよな」「ああ 全くひきょうな奴だっ」と卑怯認定されていました。
小学3年生なら少々怖がっても仕方ない気もしますが、藤木くんにとっては辛いターニングポイントになってしまいました。
●タイトルの「まる子 ○○するの巻」
最後は、アニメの各話タイトルでおなじみの「まる子 ○○するの巻」という表現です。実は初期の頃のタイトルは「まるちゃん きょうだいげんかをするの巻」のように「まるちゃん」という表記でした。
これは作中のナレーションも同じで、最初の頃は「まるちゃん」と呼んでいました。そこからときどき、タイトルのなかに「まる子ちゃん」という呼び方が入るようになり、ついに1991年2月3日放送の第53話「まる子 豆まきをする」で「まる子」呼びが登場します。今では当たり前になった「まる子」呼びも、変化の末に定着した「定番ネタ」のひとつです。
長い歴史のなかで、たくさんの定番ネタを築いてきた『ちびまる子ちゃん』。今後もふとした放送回をキッカケに、新たな定番ネタが誕生するかもしれません。
(吉原あさお)




