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『鬼滅の刃』堕姫と妓夫太郎は本当に「弱くてダメな鬼」だった? 兄妹最大の弱点とは

兄・妓夫太郎の「誤算」と「弱点」とは!?

涙なしでは見られない上弦の陸の物語も見られる『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』本ポスター (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
涙なしでは見られない上弦の陸の物語も見られる『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』本ポスター (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

●強いはずの兄が、なぜ負けたのか? 最大の弱点は……

 堕姫の背中から出てきた兄・妓夫太郎こそ、上弦の陸の実力を持つ、強い鬼でした。無惨も妓夫太郎のことは認めていました。にもかかわらず、なぜ、妓夫太郎は負けたのでしょう?

 最大の誤算は、元忍の天元が毒耐性を身につけていて、妓夫太郎の血鬼術で発生した猛毒を含む斬撃を受けても戦い続けられたことです。山育ちの伊之助も毒耐性があり、「内臓の位置をズラす」(本人談)ことができたのも大誤算。

 さらに、天元に妻が3人もいて、彼女たちが優秀な元「くのいち」だったことは大きいでしょう。彼女たちは多少なりとも戦ったり、住民を迅速に避難させたりしたばかりか、雛鶴にいたっては毒を塗った大量のクナイを撃ちこんで加勢したりしました。

 クナイを撃った後、妓夫太郎に襲われた雛鶴を救うために炭治郎は水の呼吸とヒノカミ神楽を合わせて使う技を見出します。その後も、隠し持ったクナイを妓夫太郎に刺して、頸を斬るまであと一歩に迫るなど、戦いにだけでなく、炭治郎の心身の成長にも大いに影響を与えたのです。妓夫太郎は、妻が3人いる天元をうらやみはしましたが、彼女たちの戦闘能力など歯牙にもかけていなかったでしょう。しかし、彼女たちの活躍が被害を最小限にとどめ、妓夫太郎を追い詰める「誤算」のひとつになったのです。

 妓夫太郎の特徴として、不思議なほど「おしゃべり」であることも挙げられます。イケメンな天元を褒めたり、うらやんだり、ねたんだり……。炭治郎に対しては、小馬鹿にしたり、さげずんだりと、かなりひどい言葉も多いですが、「おしゃべり」であることには変わりありません。

 伊之助の胸を刺した後は、天元も善逸も身動きが取れず、炭治郎も気絶していたので、一人ひとりとどめをさして回ればいいものを、妓夫太郎はそれをせず、目を覚ました炭治郎を挑発し続け、妹・禰豆子のために鬼になれと誘うほど……。

 この「妹のために」鬼になることを誘うというところに、妓夫太郎らしさと彼の弱さの最大の原因を見ることができます。妓夫太郎にとっては、すべてが「妹優先」です。妹のなかに入っていたのも、弱い相手ならば堕姫に倒させて彼女の自尊心を満足させてやり、妹がピンチになれば自分が出て、かわいい妹を守ればいいと思っていたからかもしれません。

 妓夫太郎の戦闘能力の高さや、ふたりの頸を同時に斬らなくてはいけないという、倒し方のやっかいさからすれば、もう少し上位になってもいい気はしますが、そこもまた妹の身を案じて、あえて「陸」に留まっていたのかとも考えられます。彼の場合、鬼になったのも「妹を救うため」であり、強いのも妹のため、そして同時に弱さもまた、妹を思うあまりの「人間らしさ」から生まれたものでした。

「人間らしさ」が上弦の陸の妓夫太郎と堕姫の「弱さ」でしたが、鬼として殺されてなお、兄妹の絆はけっして消えず、妹・梅(=堕姫)にとっては「最強の兄」だったことには間違いありません。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記

(山田晃子)

【画像】劇場スクリーンで観るとまた違う! ど迫力の鬼滅キャラ(5枚)

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