「ハカイダー」誕生から50年 主役「キカイダー」以上に有名な悪のライバル
ハカイダーに命を吹き込んだ、声優・飯塚昭三の名演技

ハカイダーの人間体であるサブローを演じたのは真山譲次さんですが、やはりハカイダーを演じたといえば声優の飯塚昭三さんが一番に思い出されます。
飯塚さんは日本初のTVアニメである『鉄腕アトム』のころから声優として活動していましたが、やはり一般的に知られるようになったのは特撮ヒーロー番組で悪役の声を演じることが増えたこの時期からでしょうか。
特に悪のボスや幹部を演じることが多く、その威厳と貫禄は誰もが認めるものだったと思います。そんななか、飯塚さんは自分がそれまでに演じたことのない「二枚目」だったハカイダーに最初は戸惑いました。そのため、飯塚さんはハカイダーに対しては特段の愛着を持っていたそうです。
ちなみに後番組『キカイダー01』に登場したハカイダー(通称ギル・ハカイダー)も続けて飯塚さんが演じていました。しかし、こちらは性格が全く変わってしまったため、あまり好きではなかったと後年に語っています。そのため、もとのハカイダーとは違う演技プランで演じていました。
実は、後に原作マンガをベースにしたアニメ作品『人造人間キカイダー THE ANIMATION』が2000年に製作されたのですが、この時に光明寺博士を演じたのが飯塚さんです。これには仕掛けがあって、物語の終盤にハカイダーの脳にいた光明寺博士がその体を奪い、飯塚ボイスのハカイダーが登場しました。これはスタッフが当初から考えていたそうで、飯塚さんも喜んでいたとのこと。
よくファンの間で議論となるのが、特撮ヒーロー番組のライバルキャラの元祖は『快傑ライオン丸』のタイガージョーであって、ハカイダーではないという意見です。実はタイガージョーのほうが半年ほど早く画面に登場していました。
ただ後年に与えた影響の大きさを考えると、ハカイダーが元祖ライバルキャラと言われるのも仕方ありません。それほどハカイダーをオマージュした作品やキャラは多く存在します(ちなみに筆者はタイガージョーのファンでもあります)。
たとえば、『キカイダー』という作品がリメイクやリブートされるたび、必ずハカイダーは一緒に登場していました。極端な話、キカイダーとハカイダーだけで物語ができてしまう構成にもなっています。それほどハカイダーは作品にとって重要なポジションでした。
また、逆にハカイダーだけで物語が製作されたこともあります。1995年4月15日に公開された特撮映画『人造人間ハカイダー』。ハカイダー自体の性格はオリジンのアウトローな部分が残っていて、こちらで新たなファン層を開拓しています。ちなみにTV版も企画されていました。
現在でもたびたびオマージュされることがあるハカイダー。ヒーローのライバル役として、それだけ強いイメージを残したキャラでした。人によっては「ハカイダー的なポジション」でキャラを理解できることもあり、もはや伝説のキャラのひとりといっても過言ではないのかもしれません。
(加々美利治)






