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今や大人気のNintendo Switch、でも発売前は「疑問の声」多かった?

スイッチ独自の特徴にも不安の声が

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が、Nintendo Switchの普及に大きく貢献した
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が、Nintendo Switchの普及に大きく貢献した

●特徴である「携帯性」への疑問や、ラインナップ不足への不安感

 スイッチは、モニタを一体化させた携帯性、TVに縛られずに遊べる利便性、Joy-Conのおすそわけプレイ、本体を持ち寄ってのローカルプレイなど、現行機にない特徴を多数備えていました。

 こうした個性を好ましく受け止める人もいた反面、時代にそぐわないといった疑問の声も上がりました。また、「携帯してゲームを遊ぶ」というスタイルはスマホで満たされており、「今そこに踏み込んでも敗北するだけだ」との予想も飛び交います。

 またモニタ一体型のデザインは、前世代機の「Wii U」を連想させました。Wii Uは、商業的に苦戦を強いられたまま現役を退いたゲーム機。名作も数多く生み出しましたが、ラインナップが十分だったとは言えず、「Wii Uの二の舞になるのでは?」と怖れて様子見に徹したゲームファンもいたほどです。

 さらに追い打ちをかけたのが、スイッチと同日に発売されるゲームソフトのラインナップ不足。本数が限られるのは常なので仕方のない話ですが、他機種からのマルチ展開が多く、「スイッチを買わないと、これが遊べない」という訴求力を持つものはごくわずか。

 同日に発売された完全新作のなかでは、Wii U版とのマルチ展開だった『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』、定番アクションの最新作『スーパーボンバーマン R』あたりに注目が集まったものの、ラインナップの弱さは不安視の要因となりました。

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 高性能は望めず、価格はPS4 Slimと同等。ゲーム機の携帯性への疑問、ラインナップの弱さと、さまざまな点に不安が集まったニンテンドースイッチ。しかし蓋を開けてみると、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が爆発的な人気を博し、その牽引力で本体の売れ行きは好調な出足を見せました。

 その後もミリオンセラーを記録するゲームを連発し、一時期は本体が売り切れて全く手に入らない事態にも。こうした好転が、当初漂っていた不安を一掃します。また、疑問視された携帯性も評価され、後に携帯モード専用の「Nintendo Switch Lite」を発売。こちらも順調な売れ行きを見せ、ユーザー層の拡大に寄与しました。

 任天堂のゲーム機開発は、処理性能だけに絞ることなく、ユニークな遊びに繋がる設計思想が常に見られます。こうした挑戦は時に失敗も招きますが、成功は失敗の先にあるもの。Wii Uの後にスイッチをリリースした「ブレない任天堂」の在り方そのものが、成功の秘訣なのかもしれません。

(臥待)

【画像】蓋を開けたら大ヒット! スイッチの不安を吹き飛ばした初期名作ソフトを見る(7枚)

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