初代『ガンダム』ファンから否定され…『Gガン』誕生秘話、評価を覆した異色設定
「宇宙世紀」という枠を外したワケ

『機動武闘伝Gガンダム』は、実は「ガンダム誕生15周年記念」向けのスペシャル作品として企画されたものなのです。
当時、すでにガンダムシリーズはアニメファンの間で確固たる人気を得ていました。そんな中で迎える15周年です。なにか今までとは違う「新たなガンダム」が望まれるのはごく自然なことでした。
世間では、あの『ドラゴンボール』も大人気で、スポンサー側からも、ああした要素を取り入れることは出来ないかといった提案もあったと聞きます。そこで、サンライズ側(当時)の担当者たちは考えました。どうやったらガンダムを弾けさせることができるのか?
その答えの大きな一歩が、ガンダムシリーズがずっと継承してきた「宇宙世紀」という枠を、思い切って外すことでした。『Gガンダム』では『機動戦士ガンダム』の世界からは全く切り離された特殊な世界を作りあげることにしたのです。こうすることで、宇宙世紀とは関わりのないガンダムを存在させることが可能になり、ガンダムに新しい可能性を開くことにもなるでしょう。
事実、この後に続く次世代監督たちの手になる『新機動戦記ガンダムW』や『新機動世紀ガンダムX』等、宇宙世紀ではない世界のガンダムシリーズを作ることも可能になり、その後30年近く経った今でも人気を得ているさまざまなガンダムが存在出来てもいるのです。
ご記憶かもしれませんが『Gガンダム』の本放送の前には、3本の特別番組が3週にわたり放送されています。マイケル・富岡さんと、当時子役タレントだった内山信二さんが『Gガンダム』の制作スタジオを訪問し、アニメーションが出来てゆく課程を見学してゆくと同時に『Gガンダム』とはどんな作品かを先んじて紹介するという番組です。
アニメ番組で「紹介特番」が作られるのは当時もそれなりにあったのですが、3本も作られたというのは珍しかったことでしょう。これもまた、15周年という特別な位置だてだったからこそ、と言えるかもしれません。
この特番は、2017年に期間限定で生産されたHDリマスター版Blu-ray BOX(バンダイビジュアル)にのみ収録されていますが、その構成と演出は、アニメに詳しい方ならご存じの『J9シリーズ』で監督を務めた「四辻たかお」さんが担当しています。
ただ、特番がなぜ3本も作られたのかについて、上記のような経緯もあって番組制作のスタートがやや遅れ、本編アニメーションの製作が間に合いそうもなかったから……という話も当時は漏れ聞こえてきましたが、そこを問うのは「野暮」ということにしておきましょう。
【著者プロフィール】
風間洋(河原よしえ)
1975年よりアニメ制作会社サンライズ(現・バンダイナムコフィルムワークス)の『勇者ライディーン』(東北新社)制作スタジオに学生バイトで所属。卒業後、正規スタッフとして『無敵超人ザンボット3』等の設定助手、『最強ロボ ダイオージャ』『戦闘メカ ザブングル』『聖戦士ダンバイン』『巨神ゴーグ』等の文芸設定制作、『重戦機エルガイム』では「河原よしえ」名で脚本参加。『機甲戦記ドラグナー』『魔神英雄伝ワタル』『鎧伝 サムライトルーパー』等々の企画開発等に携わる。1989年より著述家として独立。同社作品のノベライズ、オリジナル小説、脚本、ムック関係やコラム等も手掛けている。
(風間洋(河原よしえ))


