芸術的な「表紙の仕掛け」があるマンガ・3選 カバーをズラすと「感動!」
近年のマンガには、表紙に凝った“仕掛け”がある作品も少なくありませんが、懐かしのマンガ作品にも趣向を凝らしたものがあります。単行本を複数巻揃えることで楽しめる仕掛けは、デジタルでは味わえない特権と言えるでしょう。表紙への仕掛けがあり、遊び心が満載な新旧3作品を紹介します。
紙の単行本ならではの魅力!

数あるマンガのなかには、単行本の表紙に“仕掛け”を施して読者を楽しませてくれる作品があります。紙の単行本を手にした時にだけ楽しめる仕掛けは、デジタル版にはない特権だと言えるでしょう。そんな表紙を使った楽しい作品は、昭和の時代から存在していました。
まず紹介したいのが、バブル真っ只中の1982年に「週刊少年ジャンプ」で連載開始されたギャグコメディ『ハイスクール!奇面組』です。本作は高校生5人組・奇面組を中心としたドタバタな学園生活が描かれます。
単行本は全20巻が発売され、表紙を横並びに繋ぎ合わせると、表紙に描かれたキャラクターたちが左に向かって進む様子が描かれたひとつの絵になるという仕掛けがありました。キャラクターの服装は、単行本に収められているエピソードに沿った内容ものになっています。
SNSでは「背表紙ではなく、表紙のイラストが繋がっているのが面白い」「こういうのがあるから旧版コミックっていいんですよね」などと揃えなければ分からない表紙への工夫を楽しんでいる読者の声が寄せられています。
表紙への仕掛けは、平成初期の少女マンガにもありました。1995年から少女マンガ雑誌の「りぼん」で連載されていた『ご近所物語』です。本作は芸術学院に通う主人公の学生生活をリアルに描き、読者の支持を集めました。
本作の表紙は、1巻につきひとりのキャラが描かれているのが特徴的で、その仕掛けはというと、全7巻の表紙を横並びに合わせると表れます。背景に描かれた風景が繋がるようになっていて、7人のキャラクターがピクニックを行っている様子を描いた絵として完成するのです。
また、各巻で次の単行本に描かれるキャラの体の一部が映り込んでいるという、仕掛けへのヒントもありました。作品のファンからは「ご近所物語は単行本の表紙もセンスが良い」「全部横に並べた時のかわいさといったら…」などの声があがっており、ストーリーだけではなく単行本の表紙に魅力を感じている人が多くいるようです。