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『牙狼〈GARO〉』シリーズの雨宮慶太監督、「映像演出者は人気のゲーム知っておくべき」

『牙狼〈GARO〉月虹ノ旅人』の劇場公開を控えた雨宮慶太監督へのインタビュー後編。才能豊かな逸材が集まった阿佐ヶ谷美術専門学校時代の思い出やゲーム業界での実感、キャラクターデザインの楽しさと苦労などについて、語っていただきました。

有名クリエイターが集まっていた専門学校時代

インタビューに応える、雨宮慶太監督(マグミクス編集部撮影)
インタビューに応える、雨宮慶太監督(マグミクス編集部撮影)

 特撮シリーズ「牙狼」ファンは見逃せない新作映画『牙狼〈GARO〉月虹ノ旅人』を完成させた雨宮慶太監督。阿佐ヶ谷美術専門学校時代の思い出やゲーム業界での体験など、これまでの道のりを振り返っていただきました。

【インタビュー前編】はこちら

ーー雨宮監督の出身校・阿佐ヶ谷美術専門学校は、雨宮監督のほかにもイラストレーターの寺田克也さん、漫画家の桂正和さん、映画監督の山崎貴監督といった多くのクリエイターを輩出していますね。

 僕のひとつ下が桂正和氏で、ふたつ下が寺田克也氏に特殊造型作家の竹谷隆之氏、さらにもうひとつ下が山崎監督。下の代は当たり年だったんじゃないかな。まぁ、彼らの上の代でよかった。先輩面できるからね(笑)。

 僕がいたころは、映像関係の授業はなかったんです。それで僕が「映像研究会」というサークルを立ち上げて、授業と関係なく自主映画を作っていたんです。ひとつ下の代が中心になって動き、手塚治虫先生に来校してもらい、特別講義を開いてもらったこともありました。それで映像やアニメの授業は学生が集まることが分かって、学校側は映像メディア科やキャラクターデザイン科を新設したんですよ(笑)。

ーー実は雨宮監督、阿佐ヶ谷美術専門学校は卒業されてないそうですね。

 そうなんです。在学中から働き始めて、忙しくて授業に出られなくなってしまった。卒業式には顔を出したんだけど、卒業証書はもらっていません。その後、「不足している単位分の学費を払えば、卒業証書を渡すよ」と言われたけど、そこまでして卒業証書が欲しいとは思わなかったので、払わなかったんです。でも、いつの間にか卒業生扱いになっていた(笑)。

ーーその後、雨宮監督は『未来忍者 慶雲機忍外伝』(1988年)や『ゼイラム』(1991年)などの新感覚の特撮映画で注目を集める一方、『鬼武者2』『クロックタワー3』のキャラクターデザインを手掛けるなど、ゲーム業界でも活躍されています。

 ゲーム業界を体験して感じたのは、映像の世界よりも100倍厳しいということ。映像作品は見えない部分について手を抜けるけど、ゲームの世界は見えない部分まで徹底的に作り込んでいる。ゲーム業界で働いている人たちは、大変な努力を重ねています。

 ゲーム業界がまだ黎明期だった頃は映画界の方が威張っていたけれど、今は完全に逆の立場です。僕もゲームの仕事に参加させてもらって、そこで刺激を受けたことを映像の世界に持って帰るのが精一杯ですね。

【画像】 『牙狼〈GARO〉月虹ノ旅人』の登場人物たち(9枚)

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