『聖戦士ダンバイン』のビルバイン登場から40年 最強ゆえに歩んだ苦難の道とは?
エースの乗る最強機体ゆえの悲劇

放送終了後も、ビルバインにはいくつかの特筆するドラマがありました。
たとえば出渕さんは模型雑誌「B-CLUB」で連載していた『AURA FHANTASM』という企画にて、「ヴェルビン」というビルバインをリファインしたオーラバトラーを発表しています。より生物感あふれるデザインにリファインされたヴェルビンは、ビルバインの迷彩色に似た塗装でした。しかし、後に「ナの国近衛騎士団長仕様機」という、初期ビルバインと同じ赤白で塗装されたものも発表されています。
そして、ビルバインがふたたび大きく脚光を浴びたのは、やはりゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズ、通称『スパロボ』への参戦でしょうか。作品としても注目を集め、当時観ていなかった層にも大きくアピールすることになりました。
この『スパロボ』では、ビルバインは回避率が高くて敵の攻撃が当たりづらいうえに、一定の威力のビーム攻撃を無効化する「オーラバリア」、さらに気力があがると「分身」で敵の攻撃を完全にかわす、破格の回避能力を備えています。
さらに射程1と短いものの、剣による攻撃が強力で、最大の攻撃技である「ハイパーオーラ斬り」はエネルギー消費が低いことから連発が可能でした。前述の防御面と合わせて隙がなく、ゲームでは切込み役として多くのプレイヤーが使用しています。
この『スパロボ』での活躍で一躍注目されたビルバインでしたが、シリーズによって少し評価が分かれました。それは、ゲームによってはさらなる「上位機種」が登場するからです。そのひとつがOVA『New Story of Aura Battler DUNBINE』の主役機である、「サーバイン」でした。
サーバインは本来、『聖戦士ダンバイン』の作品タイトルとその主役機に予定されていた名前で、『AURA FHANTASM』が初出となるオーラバトラーです。その経緯から幻の主役機とされ、『スパロボ』では隠し機体として登場することが多くありました。それゆえに、ビルバインの上位互換となることもあります。
また近年ですと、前述のヴェルビンも『スパロボ』に参戦することもあり、ビルバインはショウの乗る機体の「中継ぎ役」というイメージが強くなりました。これもショウというエースパイロットに、より良い機体を……という意図があるからでしょう。アムロ・レイの最強機体が最後に乗った「νガンダム」でなく、幻の機体「Hi-νガンダム」と言われることが多くなったことと同じ現象です。
この他にも、ゲーム『聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説』で、量産型にあたる「ゼルバイン」というオーラバトラーも登場していました。このように、ビルバインには誕生、その後に至るまでさまざまなドラマがありましたが、TVアニメ『聖戦士ダンバイン』という作品を代表する、人気のオーラバトラーと言えるかもしれません。
(加々美利治)


