食わず嫌いはもったいない? 『テイルズ オブ アライズ』は「シリーズ未経験者」でも楽しめる意欲的な名作
シリーズ作は人気があるほど作品数を重ねていき、ファンがその楽しさを満喫できる反面、未経験者にとってはハードルが上がりがちです。しかし『テイルズ オブ アライズ』は、本シリーズ未経験でも問題なく楽しめますし、むしろ過去作が合わなかった方も一考する価値のあるゲームと言えます。
人気を実績を兼ね備えている『テイルズ オブ アライズ』

ゲーム業界の最前線で活躍しているバンダイナムコエンターテインメントは、多数の代表作を抱えており、長年にわたって支持されているシリーズも数多く生み出してきました。
28年以上の歴史を積み重ね、時代に併せてさまざまな展開を見せてきた「テイルズ オブ」シリーズも、同社が誇る看板シリーズのひとつ。無数のライバルがいるRPGジャンルのなかでも、埋もれることなく存在感を示し続けています。
本シリーズの幕開けを飾ったのは、1995年に発売された『テイルズ オブ ファンタジア』。RPG黄金期真っ盛りの頃、スーパーファミコンソフトながらボーカルつきの主題歌を完全収録し、勧善懲悪ではない深みのある物語を描写するなど、時代の1歩先を行くエンターテイメント性で当時のゲームファンを驚かせました。
このほかにも、シリーズの黎明期を支えた『テイルズ オブ デスティニー』、意外な展開でプレイヤーを虜(とりこ)とした『テイルズ オブ ジ アビス』、「正義」を問いかける『テイルズ オブ ヴェスペリア』、初の単独女性主人公でストーリーも高く評価された『テイルズ オブ ベルセリア』などが名を馳せ、特に注目を集めた人気作だけでも枚挙に暇がないほどです。
そして、現時点における家庭用ゲーム機向けのシリーズ最新作は、2021年9月に発売された『テイルズ オブ アライズ』です。こちらも高く評価され、名作と称える人も後を経たないほど。しかも本作は、今から数えて2年ほど前に発売されたゲームですが、2023年11月9日に有料大型DLC「ビヨンド ザ ドーン」を配信し、魅力的な物語とキャラクター陣をさらに深掘りします。
これから『テイルズ オブ アライズ』を始めれば、好評を博した本編を楽しんだ後、そのままDLCの「ビヨンド ザ ドーン」まで一気に楽しめます。プレイ済みのファンはこの「ビヨンド ザ ドーン」を楽しむことでしょうが、未経験者が遊び始めるにも絶好のタイミングと言えます。
「でもシリーズ未経験だし、『テイルズ オブ アライズ』だけ遊んでも楽しめるの?」と不安を抱く人もいることでしょう。そうした、潜在的なプレイヤーになる可能性を秘めた皆様に向け、「むしろ今から遊ぶべき!」と一押ししたい理由をお伝えします。
●本編は約半年で200万本を突破! ファンからの人気も高い『テイルズ オブ アライズ』
「テイルズ オブ」シリーズの歩みは長いものの、名を連ねる作品の多くは1作ごとに完結しており、舞台となる世界や登場人物はその都度一新されています。そのため、過去作の知識がなくても、物語を十分楽しめるケースがほとんどです。
前作と直接繋がっている作品も存在しますが、全体からみれば一部ですし、今回取り上げる『テイルズ オブ アライズ』も完全に独立した単独の作品なので、シリーズ未経験でもなんら問題ありません。
また本作は、発売初週の世界累計出荷本数が100万本を突破(ダウンロード版含む)。しかもその勢いは発売直後だけに留まらず、2022年4月には200万本を突破したと公式Xで発表されるなど、中期的に見ても確かな結果を残しました。
「売れている=面白い」とは限りませんが、時間が経つほどプレイしたユーザーの声が広がるため、期待外れならほどなく失速します。ですが本作は、発売後から約半年を経て、出荷本数が2倍に増加しており、プラス評価の口コミが人気を後押ししたものと思われます。
売り上げだけでなくシリーズファンからの支持も厚く、2021年に行われた歴代キャラクター人気投票では、『テイルズ オブ アライズ』に登場した「テュオハリム」が堂々の第1位に。そして本作の主人公「アルフェン」も、第3位に食い込む躍進を見せました。
『テイルズ オブ ヴェスペリア』の「ユーリ」など殿堂入りした2名がランキング対象外とはいえ、「テイルズ オブ」シリーズは両手の指でも数えきれないほどの作品がリリースされています。
そうしたシリーズの過去キャラクターたちと肩を並べて競い、第1位と第3位を獲得する人気ぶりは、彼らが活躍した『テイルズ オブ アライズ』自体が確かに支持された証と言えるでしょう。
売れ行きも好調で、ファンの支持も厚い『テイルズ オブ アライズ』。この時点で完成度の高さに疑問の余地はないほどですが、続いては未経験者でも楽しめるその特徴や魅力に迫ります。