「出産のためお休みです」←えっ、女性!? さまざまな理由で「性別議論」を招いた人気漫画家たち
「出産報告」で女性説浮上?

そしてこの手の話題で外せないのが『鋼の錬金術師』の作者でおなじみの荒川弘先生でしょう。すでに女性であることが明らかになっている一方、かつては「弘(ひろむ)」というペンネームから男性だと思い込んでいたファンも少なくありませんでした。
しかし、2017年に放送された特別番組『鋼の錬金術師展を100倍楽しむ方法』に荒川先生自らがVTR出演し、顔が伏せられていながらも風貌や声が明らかに女性だったことでネット上が騒然とする事態に陥ります。なお、当の本人は自画像を牛の品種「ホルスタイン」に設定していたため、実質的に女性だと公表していたつもりだったそうです。
またアニメ『百姓貴族』第9話では自身を「『女』でございます」と紹介し、「ホルスタイン=乳牛=ほぼ雌牛というイメージだったので、男性だと思われていたことはカルチャーショックだった」というような内容を明かしていました。
他方で、SNS上の投稿によって性別議論を巻き起こしたのが、『東京喰種トーキョーグール』や『超人X』の作者として知られる石田スイ先生です。2017年8月に「福岡のちいさい映画館で姉妹いっしょに『秒速5センチメートル』観たのを思い出した」と投稿したところ、「まって、姉妹ってことはつまり……」「スイ先生って女性なの?」といった疑惑が浮上しました。
しかしながら石田先生は、2018年に開設したYouTubeチャンネル「石田お寿司チャンネル」で配信を行っていることからも、性別は男性であると確実視されています。おそらくSNS上で語ったエピソードは、先生と姉妹が一緒に映画館へ行ったというのが真相なのでしょう。
一方、スタッフの茶目っ気が原因で女性と勘違いされたのが、『ゴールデンカムイ』の野田サトル先生です。そもそも本人のTwitterには「男です」と記載されているのですが、2020年2月20日に先生の作品を宣伝する公式アカウントで「本日(2/20)発売の週刊ヤングジャンプ12号、『ゴールデンカムイ』は野田先生が出産のためお休みです」とポストされたことで一部のファンを混乱させました。
実をいうと当該アカウントでは休載を別の表現に置き換えていることが多く、たとえば2019年10月10日には「本日(10/10)発売の週刊ヤングジャンプ45号、『ゴールデンカムイ』は野田先生が『収穫』のためお休みです」と読者に呼びかけています。ちなみに「女性説」が浮上する発端となった投稿で「出産」というワードがチョイスされた理由は、おそらく本誌でインカラマッの出産エピソードが展開されていたからでしょう。
漫画家たちの性別議論はさまざまな理由で巻き起こっているようです。作品が魅力的だからこそ、その作者がどのような人物なのか気になるのが、読者の心理なのかもしれません。
※一部修正しました(12月6日23時35分)
(ハララ書房)








