『逆襲のシャア』あすBSで放映 何度も見た「謎多きラストシーン」 あなたはどう解釈する?
悲劇は『閃光のハサウェイ』に受け継がれることに

ブライト艦長とミライさんの息子であるハサウェイも、『逆襲のシャア』の重要キャラクターです。家族関係がうまくいっていない少女・クェスのことが、ハサウェイは気になってなりません。シャアのもとへ出奔したクェスを連れ戻したい一心で、ハサウェイは無謀にも戦場へと向かうのでした。
初めての戦場で、ハサウェイは生涯消えることのないトラウマを体験します。ハサウェイにとって、クェスは初恋の女性と言っていいでしょう。そのクェスが、ハサウェイの目の前で非業の最期を遂げてしまうのです。このとき、ハサウェイもクェスも、まだ13歳でした。
シャアの反乱から12年後、ハサウェイが成人した姿は劇場アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(2021年)で描かれることになります。アムロとシャアがララァを失ったことで人生が大きく変わったように、ハサウェイの人生も大きな歪みを生じることになります。
ハサウェイのその後を知った上で、改めて『逆襲のシャア』を観ると、悲劇の歴史が繰り返されていることに胸が締め付けられるような感覚を覚えずにはいられません。
いろんな解釈ができるラストシーン
何度も『逆襲のシャア』を見返してしまう要因に、いろんな解釈ができるラストシーンがあるように思います。アムロやブライトは懸命にあらがうものの、小惑星アクシズの半分が地球に落ちてしまうことに。νガンダムに乗るアムロは、地球への落下軌道上にあるアクシズを押し戻そうとします。冒頭のセリフは、この場面でアムロが口にするものです。
言葉を介さずともわかり合えるのが「ニュータイプ」のはずなのに、結局のところ、シャアとアムロは最後まで理解し合うことができません。でも、アムロに続き、地球連邦軍だけでなく、ネオ・ジオン軍のモビルスーツもアクシズに取り付き、身を挺して地球への落下を防ごうとします。このとき、アクシズは不思議な光に包まれ、奇跡が起きるのでした。
このラストシーン、アムロとシャアのサイコフレームが共鳴し、νガンダムの未知なる力が引き出された、ということに理屈上はなるわけですが、奇跡を呼び寄せたのはアムロひとりの力ではなく、地球連邦軍もネオ・ジオン軍も関係なく、名もなき大勢の兵士たちの母なる星・地球への愛情があったからでしょう。また、シャアがアムロ向けにサイコフレームに関する最新のデータを送っていたからこそ、この奇跡は起きています。言葉では否定していたシャアですが、最後の最後にシャアも人類の未知なる可能性を感じていたはずです。
おそらく、富野監督の頭のなかには、人間が持つ可能性に肯定的なアムロと否定的なシャアの両方が存在しているのだと思います。
人間は永遠にわかり合うことができない。いや、いつかはわかり合うことができる。観る人によって、また観るタイミングによって、どちらにも解釈できるのが『逆襲のシャア』の面白さではないでしょうか。あなたは、どう解釈しますか?
(長野辰次)












