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50年前の1974年は「アニメ史に残る1年」 高畑&宮崎の『ハイジ』、裏番組が『ヤマト』!

50年前の1974年は、実にさまざまなTVアニメが放映されました。一社提供で1年間放映された『アルプスの少女ハイジ』、その裏番組となった本格的SFアニメ『宇宙戦艦ヤマト』は、とりわけアニメ史に残る傑作として記憶されています。商品化を前提に企画された『ゲッターロボ』など、他にも斬新な作品が次々と誕生しました。

高畑&宮崎の最強タッグ作『アルプスの少女ハイジ』

『アルプスの少女ハイジ』劇場版 DVD(日本コロムビア)
『アルプスの少女ハイジ』劇場版 DVD(日本コロムビア)

 今年2024年は、TV放送から「50年」を迎える、アニメ史に残る人気作が数多くあります。その後のアニメ文化に大きな影響を与えた作品を振り返ります。

 1974年1月6日から放映が始まったのが、「カルピスまんが劇場」シリーズの『アルプスの少女ハイジ』でした。フジテレビ系で、全52話がオンエアされました。演出は高畑勲氏、場面設定と画面構成は宮崎駿氏と、のちに「スタジオジブリ」を立ち上げるアニメ界の二大巨頭ががっちりタッグを組んだ名作アニメです。

 日本のアニメとしては初となる海外(スイス)へのロケ地取材を行うなど、良質のアニメをつくることにこだわり抜いた作品でした。5歳の少女・ハイジが、アルプスの大自然のなかで伸び伸びと育っていく様子を情感たっぷりに描けたのは、TVシリーズならではの強みでしょう。ハイジとアルムおんじたちとのやりとりを描いた平穏な「日常アニメ」ながら、平均視聴率が20%を超える人気作となりました。

 2023年は「スタジオジブリ」が日本テレビ系列の子会社になることが、大きな話題となりました。高畑&宮崎コンビによる『ハイジ』『母をたずねて三千里』『赤毛のアン』のようなTVシリーズを、新生ジブリには期待したいと思います。

地球滅亡の日が刻々と迫った『宇宙戦艦ヤマト』

 欧州でも大人気を博した『ハイジ』に真っ向勝負を挑んだのが、1974年10月から放映された『宇宙戦艦ヤマト』です。日本テレビ系で放送されたのは日曜の19時30分と、『ハイジ』と丸かぶりでした。西崎義展プロデューサーは、『ハイジ』の制作会社「瑞鷹エンタープライズ」に所属していましたが、個人事務所「オフィス・アカデミー」を制作母体にして、人生を賭けた大勝負に挑みます。

 それまでのTVアニメは子供たちを対象にしたものでしたが、『ヤマト』は2023年2月に亡くなった漫画家の松本零士氏をデザインスタッフに迎え、10代の若者たちが楽しめる本格的なSFアニメとして制作されます。

 視聴率的には『ハイジ』に大敗し、3クールの放送予定が2クール全26話に縮められてしまう結果になりました。ところが、海外向けに編集したダイジェスト版を日本で劇場公開したところ、予想を上回る大ヒット。西崎プロデューサーの大逆転勝利でした。

 戦艦が空を飛ぶという設定は、実写映画『海底軍艦』(1963年)や特撮ドラマ『マイティジャック』(フジテレビ系)などがすでにありましたが、太平洋戦争で轟沈した戦艦大和が改造され、全人類を救うために未知の惑星「イスカンダル」を目指すというストーリーには、ロマンがありました。

 世界観が認知されるまでに時間は要したものの、『ヤマト』はシリーズ化され、より大きな成功を収めます。『ヤマト』へのライバル心から、富野由悠季監督は『機動戦士ガンダム』(テレビ朝日系)を企画することにもなりました。

 エンディングで「地球滅亡まであと××日」とカウントダウンが毎週進んでいくのを、リアルタイムで視聴していた当時のファンはドキドキしながら見守っていたのではないでしょうか。

【画像】「えっ…?」 これが今年「50周年」を迎える名作アニメです(6枚)

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