『葬送のフリーレン』OP曲「晴る」は誰目線? タイトルに隠された粋な「意味」にも注目
誰の目線で歌われているのか?
ここで気になるのは誰がフリーレンを見ているのか、という点です。「勇者」は明らかにフリーレンがヒンメルについて歌った曲でしたが「晴る」は違うようです。もしかしたら「晴る」では特定の個人の視点を想定していないのかもしれません。フリーレンと旅をしたり、一緒に試練を共にした人たち全員の視点や気持ちが歌われたりしているように思えます。
一級魔法使い試験などで出会った人たちにしてみれば、感情表現が希薄なフリーレンは何を考えているのかよく分からないミステリアスな存在です。過去パートでフリーレンの生い立ちを知り、旅を始めた理由を理解している視聴者ですら、彼女の気持ちを追いきることは困難なのです。多くの人にとってフリーレンは謎そのものといっていいでしょう。
●過去を想う「勇者」とこれからの「晴る」
また「晴る」には旅を続けるフリーレン一行の前向きなモチベーションも込められているように思えます。「僕ら晴る風、あの雲を超えていけ」「胸に晴風」などは春一番に吹く強い風のイメージを想起させます。また「雲の上では晴る」というフレーズは文字通り雲の上は晴れているので雨が降らないというだけでなく、雲の上は天国(ヒンメル:Himmel)という意味も重なっているように聴こえます。
「晴る」には表意文字である漢字を駆使する日本らしい韻の踏み方と、隠されたヒンメルの名前、安らかな天国と爽やかな青空、春のエネルギッシュなイメージがて込められているようです。
●最後に
ここまで紹介した解釈はあくまでも筆者の解釈に過ぎず、決して答え合わせではありません。音楽や詩の解釈はクイズと違って絶対的な正解が存在しないものです。
歌詞とメロディ、アニメのカット割りに込められた言語化できないメッセージについて、あえて言葉を使って近づいていくのも作品の楽しみ方のひとつだといえます。複数のテーマを扱う『葬送のフリーレン』らしく、オープニングテーマもまた複数の解釈ができるのです。
(レトロ@長谷部 耕平)






