勇者一行のビジュアル←変化なしの原因は「フリーレン」? 成長の差に違和感
老いていくハイター、成長するフェルンやシュタルク

思い出のなかでまったくビジュアルが変化しないヒンメルに対し、ハイターは老いていく姿が丁寧に描かれました。魔王討伐から50年が過ぎたときのハイターと、10年後に幼いフェルンを託したときのハイターは明らかに違いますし、その4年後に寝たきりになったハイターは更に老いています。
この描写の違いは客観的な表現だけでなく、フリーレンの主観によるものが大きいのではないでしょうか。よく意識していないまま、あっという間に死んでしまったヒンメルに対し、しっかりと時間の重みを感じながら看取ったハイターの違いかもしれません。
老いていくハイターとは逆に、現在フリーレンがパーティーを組んでいるフェルンやシュタルクには成長の様子が見られます。ハイターを看取ってから、フリーレンは当時13歳のフェルンを伴って旅立ちました。一級魔法使い試験の時点でフェルンは18歳です。初めて出会った時と比べて明らかに身長が伸び、女性らしい体つきになっています。またシュタルクも旅に合流してから若干の成長が見られます。
作中の描写がフリーレンの主観をある程度反映しているとすれば、フリーレンはかつての過ちを犯すことなく、ハイターとの最後の日々や新たな旅の時間を丁寧に体感しているのでしょう。
●思い出が美化されているから
フリーレンが失った時間の価値を悟ったことで、思い出が美化されている可能性もありえます。過去はもう二度と戻れない(単行本12巻の展開などは例外)から、いっそう輝かしく感じられるものです。
フリーレンが過去を思い出す度にかつてのヒンメルたちとの出来事が、当時よりも高い解像度でリフレインされているようです。もしかしたらヒンメルの死後のほうがフリーレンのヒンメルに対する理解や感情が深まっているかもしません。
同じ時間を共有しながらも無自覚に過ごしてしまった時間を取り戻すことは出来なくても、もう一度会って話をしたい。「魂の眠る地(オレオール)」を目指す北への旅はフリーレンの切実な願いから始まりました。
フリーレンの師匠であるフランメの残した言葉からは、フリーレンがこの旅をすることは予定調和の一部だった可能性がありますし、最新の展開からは魔族の未来とも何らかの関係がありそうです。今後もフリーレンの旅は見逃せません。
(レトロ@長谷部 耕平)



