「ラストはテロップのみ」「3行で補足」 最終話を文章で押し切った作品
文字が多すぎて、もはやマンガじゃない?
●マンガ『海皇紀』

マンガでも結末を絵で描き切るのではなく、文章の説明で補って終えたものもあります。1998年から2010年まで「月刊少年マガジン」にて連載された『海皇紀』(作:川原正敏)の最終話も、後半部分では挿絵と長文の説明によって構成されていました。
同作は、陸に領土を持たず、海に覇を唱える海の一族である男「ファン・ガンマ・ビゼン」を主人公とした海洋ファンタジー巨編で、海と大地を巡るファンの戦いを描いた物語です。大国や内紛、魔導士などの戦いを12年にも及んで描かれた大作で、その最終話は90ページ越えの大ボリュームでした。
結末が描かれた後、主要キャラの後日談が語られ、挿絵と説明だけで事実が明かされていきます。後半部分はほぼこの構成になっており、初めて見た時はマンガというよりも絵本に近いものを感じました。息子よりも長生きしたファンの母親マリシーユ・ビゼンの最期は、比較的長いページを割いて描かれています。
この大胆な描き方に関しては賛否が分かれ、なかには「ファンが死後『海皇』と諡号(しごう)されて本の名前を『海皇紀』とするという流れは良いんだけど、すべて文字による説明で明らかになったので、唐突感は拭えなかった」「海皇紀の最終話は文字だらけで、もはやマンガじゃない」といった声もあがっています。
しかし、それでも「大河ドラマのようなマンガ」「一生で一冊しか読めなかったら『海皇紀』を選ぶ」など、名作として評価する読者が多いのも事実です。
●マンガ『悪徒-ACT-』
マンガの最終話で「強引に文章の説明を入れた」作品といえば、2008年に「週刊少年チャンピオン」で連載された『悪徒-ACT-』(作画:横島一、原作:猪原賽)は見逃せません。
同作は主人公の港陽虎が親友・益龍の形見「ACT-タイガー」に変身できるスカジャンを着こみ、親友の死の理由を探るため、屑を社会的に抹殺する機関「更生省」に闘いを挑むという物語です。
最終話の1話前のラストでは強敵が登場したかと思いきや、最終話ではすでに、ある程度戦いが進んだ後からの話が描かれます。その唐突な展開を補足するため、ページ左に3行にも及ぶあらすじが書かれていました。
読者からの人気を得ることができなかったために打ち切りが決定し、苦肉の策として「あらすじ3行」という方法を取り入れたのだと言われています。そして、ラストで戦いの決着がつかないままに『悪徒-ACT-』は完結しました。
この荒業はネット上で話題になったこともあって有名なラストで、「度肝を抜かれた」「読み抜けがあったかと思って、すぐに前話を読み直した」「リアルタイムで読んでたけど、事前に最終話と告げられてなかったから、唐突に終わりと知った時にかなりショックだった」といった声が出ていまます。
その後に発売された完全版のコミックスでは、あらすじで省略した部分が本編で描かれると思いきや、さらなる長文で、より細かく補足されており、絵による描写の追加を期待していたファンはショックを受けたようです。
(LUIS FIELD)

