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なぜこれほどぬるくなった? 「ドラクエ」シリーズの「はぐれメタル狩り」今昔

ファミコン時代のようなコツコツプレイは現代には不向きなのか

強い硬い美味しい。「ドラゴンクエスト メタリックモンスターズギャラリー メタルキング」(スクウェア・エニックス) (C) SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
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『ドラクエ3』になると、はぐれメタルから得られる経験値が1万を超え(4人パーティの場合のひとりあたり獲得ポイント)、使用する呪文はベギラマから「ギラ」に弱体化されました。HPも6に減ったものの、前述のように通常攻撃で与えられるダメージは1ポイントずつになったため、『ドラクエ2』とはずいぶんと勝手の違う相手です。その後のシリーズタイトルにおける「はぐれメタル」というキャラクターの特徴は、ここで確立されたといえるでしょう。

 倒す方法にも変化が見られます。魔法使いがレベル34で覚える「ドラゴラム」を使ってドラゴンに変身すれば、次のターンで吐く炎により、はぐれメタルを倒すのに十分なダメージを与えることができました。つまり「2ターン逃げなければ」と条件はつくものの、確実に倒せる方法が実装されたというわけです。ただ、せっかくドラゴンに変身しても、炎を吐く前にはぐれメタルに逃げられてしまうことは多く、まだまだ「必ず倒せる」というレベルではありませんでした。

 次作『ドラクエ4』では、「どうぐ」の「せいすい」も有効になります。戦闘中にせいすいを使用するとはぐれメタルに10から15ダメージを与えることができたのです。道具を持てる数には限りがあり、またせいすいは常備する類のアイテムとは言い難いため、効率としては決してよくはないものの、「1ターン目で逃げられなければ確実に倒せる手段が登場した」という点は大きいでしょう。

 こうして振り返ると、ファミコン時代の「ドラクエ」シリーズだけでも、はぐれメタル狩り(≒経験値稼ぎ)が徐々にやりやすくなっていることがわかります。そして前述したように、『ドラクエ11』には特技や武器がある分、はぐれメタル狩りの難易度はずいぶんと低下しました。

 難易度が低くなっている理由は、レベル上げを目的とした経験値稼ぎのはぐれメタル狩りが、同じことの繰り返しであるという点にあると考えます。つまり、はぐれメタルと出会い、戦って倒すという繰り返しの作業が、今の時代には合っていないということなのではないでしょうか。確かにファミコン時代の「ドラクエ」シリーズを遊んでいた頃と比べ、現代は無料で遊べるゲームも多く、飽きられればすぐに別の作品に目を向けられてしまいます。

 また、結果的にはぐれメタル狩りの難易度が下がっているように感じる一方、特技やれんけい技のおかげで、エンターテイメント性が向上し、飽きにくくなったという側面もあるでしょう。

 ゲームデザインもずいぶんと変わりました。『ドラクエ11』では上述のように、はぐれメタルをはじめとするメタル系まものが狩りやすくなったこともあり、ファミコン時代に比べはるかにレベルをカンスト(上限到達)しやすくなっています。ところがカンストしても、最終局面に挑むには、相応の装備を用意したり戦略を練ったりする必要があり、最後までヌルゲー化しないのです。

 つまりレベル上げ(経験値稼ぎ)という行為はあくまでゲームクリアの「過程」であって、レベルさえ上げればクリアできる(=レベル上げがゲームの「目的」と重なる)ようにはデザインされていない、といえるでしょう。

 ファミコン時代のはぐれメタルを知っている人からすれば、今のはぐれメタル狩りに対して「ぬるい」と感じてしまうのも仕方のないことかもしれません。しかし、これは現代のプレイスタイルに合わせた変化と進化の結果なのではないでしょうか。

(LUIS FIELD)

【画像】えっ、元はコイツ? これが「はぐれメタル」の正体です

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