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ゲームボーイにあった「謎の端子」 最初は「用途不明」の穴が、世界を変えた?

1989年4月21日に発売された「ゲームボーイ」は、本体の右側面に「とある端子」が設けられていました。発売当時に流行したゲーム作品も踏まえつつ、ゲームボーイが後の歴史に与えた影響力を振り返ります。

「ゲームボーイ」右側面に備わった端子の正体は?

「ゲームボーイ」右側面にある「端子」(マグミクス編集部撮影)
「ゲームボーイ」右側面にある「端子」(マグミクス編集部撮影)

 1989年4月21日に誕生した携帯ゲーム機「ゲームボーイ」(以下、GB)は、10年以上にわたってゲーム市場の最前線に立ち続けました。同ハードには「持ち運び可能でどこでもゲームが楽しめる」という特徴にくわえ、後のビデオゲーム史を変えたといっても過言ではない、「とある端子」が本体に搭載されていました。

 初代のGBを改めて見ると、右側面に周辺機器を取り付けるための端子が設けられていることが分かります。これは「通信ケーブル」の専用コネクタで、「当初は具体的な用途を想定していなかったが、独創的な使い方ができるかもしれない」という開発陣の漠然とした意図により、実装される運びとなった模様です。また、GBに通信機能を追加したとしても、それほど製造コストに負担がかからなかった、という意見もありました。

 では、ゲームボーイの通信機能が画期的だった点は何なのでしょうか。1989年当時も家庭用ゲーム機向け作品やアーケードゲームで、協力プレイや対戦プレイが楽しめる作品はごく普通にリリースされていました。「ファミリーコンピュータ」(以下、ファミコン)の初期タイトルを挙げるならば、『マリオブラザーズ』や『ベースボール』、『テニス』などが該当します。

 これらの作品は「プレイヤーが同じモニターを介してプレイする」という点が共通していました。「分割された画面内で、相手プレイヤーの動きを横目に入れながら操作する」、「自分のキャラが動かせる番になるまで待つ」……などなど、ひとりで遊ぶ時とは異なった環境に置かれるケースが多かったのです。

 しかし、ゲームボーイの場合はハードの仕様上、TV画面などのモニターではなく、それぞれのプレイヤーが手に持つゲームボーイを介し、「自分だけの画面」を見ながらプレイすることができます。手のひらに「スーパーマリオ」をはじめとしたゲームの世界が広がる目新しさ、そして当時としては斬新だった通信機能により、ゲームボーイは耳目を大きく集めました。

【画像】え、開発時は使い道がなかった? これがゲームボーイ側面にある「謎の端子」です(5枚)

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