直系後継機「ザクIII」はどこまで進化した? MS史の位置づけは「ザクII未満」?
ザクIIほどのコスパは発揮できなかった?

ザクIIの主力兵装といえば、「ザク・マシンガン」や「ヒート・ホーク」「ザク・バズーカ」などで、そのどれもが地球連邦軍の開発した最初のMSである「ガンダム」の、固い装甲を打ち破るには足りない威力でした。
その点、ザクIIIの場合は上述したように、ビーム・サーベル、ビーム・キャノン、ビーム・ライフルといった高火力のビーム兵器を扱えるようになり、当然ながらザクIIとは比べものにならないほどの攻撃力を獲得しました。また『MS図鑑 ザク』(双葉社)に掲載された数値によれば、ザクIIのジェネレーター出力は976kw、スラスター推力が4万3300kgに対し、ザクIIIのジェネレーター出力は2150kw、スラスター推力が17万2600kgと、いずれもケタ違いの進化を遂げています。
ここまで進化したザクIIIの、『機動戦士ガンダムZZ』での戦績を見ると、歴戦のパイロット「ラカン・ダカラン」が搭乗したザクIIIは、主人公の「ジュドー・アーシタ」が駆る「ZZガンダム」と戦うも、一騎打ちの末に敗れ、撤退を余儀なくされています。ZZガンダムも大出力、大火力で知られるMSで、また、いくらラカンが実力者でも、ニュータイプであるジュドーには敵わなかったのでした。
その進化形たる「ザクIII改」は、「グレミー・トト」が「ハマーン・カーン」に反旗を翻したことで起きたネオ・ジオンの内戦において、これに搭乗したマシュマーが、相対したラカン率いる部隊によって戦死しています。一年戦争時に多方面で運用されたザクIIとは違い、「歴代ザク最強」といわれたザクIII改は、同じ組織内で潰されるという悲しい結末を迎えるのでした。
なお、ザクIIは量産機という一面があるなか、ザクIIIも高い汎用性を目指したものの、量産化は「ドーベン・ウルフ」に譲る結果となっています。
MSの歴史のなかで、ザクIIIは間違いなく高性能の機体でしたが、高い汎用性で量産化されたザクIIの功績から見ると、ザクIIの正当後継機という名にはそぐわない、影を潜める位置づけとなってしまったと言わざるを得ないでしょう。
ちなみに、「月刊ガンダムエース」(KADOKAWA)で連載中のマンガ『機動戦士ムーンガンダム』(ストーリー:福井晴敏/マンガ:虎哉孝征/メカニックデザイン:形部一平/原案:矢立肇、富野由悠季)には、ドーベン・ウルフと次世代主力機争いで破れたザクIIIの欠点を見直して改良を重ねた「ザクIV」というMSが登場しています。
(LUIS FIELD)



