MS「ドム」の「左胸にあるアレ」ってなに? 謎の装備について
本当は拡散ビームではなかった?

描写が一定しないドムの拡散ビーム砲について、TVアニメ『機動戦士ガンダム』放送後の展開を見る限り、『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』で描かれたカメラのフラッシュのような装備として定着しています。管見の限りにおいては、アニメ第25話の描写だけが例外扱いとなり、その後の「ガンダムワールド」では破壊力のあるビーム兵器として描かれていないようです。
カプコンが開発した名作アーケードゲーム『機動戦士ガンダム 連邦vs.ジオン』においても、ドムのサブ射撃として拡散ビーム砲が実装されていますが、射程距離はほぼゼロで威力もほとんどありません。ただし上手くヒットさせると相手をひるませるので、連続攻撃に繋げられます。こちらも目くらましとして機能しているのです。
また「ガンダムワールド」の拡大によって深堀りされた設定によると、ドムのビーム兵器用のエネルギーサプライ(供給口)として作られたものの、ビーム兵器開発の遅れと出力不足のため、ビーム兵器としては十分な出力が出なかったとのことです。そのため幻惑装置として機能することになったのでしょう。
●リアリティある設定のために
ドムの拡散ビーム砲が閃光弾のような兵器になったのは、設定を考慮してのことだと思われます。もともとドムはホバー移動しながらバズーカ砲を発射する重モビルスーツです。そこにビーム兵器まで内蔵しているということになると、性能面でほかのMSとの整合性がとれなかったのかもしれません。
また黒い三連星が活躍したエピソードには劇場版以降、ほとんど存在がなかったことにされたメカ「Gアーマー」が登場しています。Gアーマーはガンダムのパワーアップパーツ、あるいはサポートメカで、ガンダムと合体して飛行機になったり、戦車に変形したりします。
劇場版三部作以降、ミリタリーとSFの要素が充実した設定の定着したガンダムワールドにおいてほとんど触れられることがないGアーマーは、一部ファンからは最初から「いなかった」ことにされていたり「黒歴史」扱いされたりしています。
Gアーマーが登場した頃のガンダムは現在ほど世界観が確立されておらず、セールスの要素を含めて自由なメカの登場する余地がありました。その自由さが兵器らしさよりも「おもちゃっぽさ」を醸し出してしまい、その後の世界観に合わなくなってしまったせいでしょう。
TVアニメでGアーマーを操縦していたセイラさんは、劇場版「ガンダム」ではコアブースターを操縦しています。ビームライフルのようなドムの拡散ビーム砲と分離合体するGアーマーは「ガンダムワールド」が洗練されていく過程で、設定的に整合性のあるメカニックへと淘汰されていったもの同士なのです。
(レトロ@長谷部 耕平)








