「アムロとカイって結局どういう関係?」という観点から眺める『機動戦士ガンダム』
信頼し合った大切な仲間…かと思いきや、『THE ORIGIN』では不良のような絡み方も
その後、カイはホワイトベースに戻ることになり、引き続きガンキャノンのパイロットとして活躍し、アムロもニュータイプとしての才能を開花させて大きな戦果を挙げていきました。もはやホワイトベースには欠かせない存在となり、アムロはもちろん、カイにも頼もしさを感じるシーンが数多く描かれています。
特に最終話である第43話では、宇宙要塞「ア・バオア・クー」での大決戦で、「ジオン軍」の猛攻の前に苦戦するホワイトベースを援護しながら、仲間の「ハヤト」を叱咤したり、自ら率先して白兵戦に臨んだりするカイの姿が描かれています。憎まれ口が多いキャラであるものの、こうして振り返ると人を思いやる気持ちがあり、アムロとも協力してジオン軍に立ち向かう姿は立派な軍人でもあり、魅力的な存在といえるのではないでしょうか。
もちろん、アムロが仲を深めたのは、カイだけに限った話ではありません。だとしても、ひねくれ者のカイとも友情、あるいは信頼関係を育んだのは、それほどアムロには不思議なひきつける力があったのでしょう。
ちなみにマンガ版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の過去編、およびアニメ版でのカイは、アムロやハヤト、「フラウ・ボゥ」の、高校のクラスメイトとして登場します。留年し年上の同級生として登場するカイは、たびたびアムロにからむ、近所の不良のような姿で描かれ、ました。
改めて『機動戦士ガンダム』を視聴し直す際は、アムロとカイの友情物語として観てみると、新たな発見があるかもしれません。
(LUIS FIELD)