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今夜の金ロー『名探偵コナン 紺青の拳』 怪盗キッドは歴史上に実在した!?

犯罪者と探偵、ふたつの顔を持つ男

アニメ『まじっく快斗1412』 (C) 青山剛昌/小学館・読売テレビ・A-1 Pictures 2014
アニメ『まじっく快斗1412』 (C) 青山剛昌/小学館・読売テレビ・A-1 Pictures 2014

 泥棒でありながら、難事件も解決してしまうという怪盗キッドの二面性を連想させる、犯罪界のビッグネームも実在しました。フランスで世界初の探偵として活躍したフランソワ・ヴィドック(1775年~1857年)は、実は長きにわたって牢獄で暮らした経験を持っていました。獄中で多くの裏社会の住人たちと知り合い、変装術や脱獄のノウハウを学んだそうです。

 ヴィドックは豊富な犯罪知識を見込まれ、パリ警視庁の重要な情報提供者となります。やがて国家警察パリ地区犯罪捜査局の初代局長を務めた後、私立探偵として独立し、売れっ子になっています。「蛇の道は蛇」という言葉がありますが、犯罪心理に詳しいヴィドックは優秀な探偵だったに違いありません。

 入獄をきっかけに数奇な人生を歩んだヴィドックの逸話をもとに、文豪ヴィクトル・ユゴーは『レ・ミゼラブル』を執筆したと言われています。また、フランスの人気俳優ジェラール=ドパルデューが主演した犯罪ミステリー映画『ヴィドック』(2001年)なども制作されています。

大金と共に大空を舞った伝説の男

 怪盗キッドを語る上で、もうひとり注目の人物がいます。こちらはぐっと現代に時代が近づいて、1971年にスーツ姿で米国の旅客機をハイジャックしたダン・クーパーです。彼は身代金20万ドル(日本円で1億円相当)の入ったバッグを持って、高度一万フィートの上空を飛んでいた旅客機から飛び降ります。パラシュートを使って、そのまま逃亡。FBIが全米中を捜査しましたが、事件は未解決となっています。

 スーツ姿で旅客機から飛び出すという大胆不敵さから、ダン・クーパーは米国では伝説の犯罪者として語られています。ダン・クーパーが森に隠したと言われる大金を探しに冒険するコメディ映画『トレジャー・ハンターズ』(2005年)が作られるなど、いろんな作品のネタにもなっています。

 大空を舞ったダン・クーパーの伝説は、ハングライダーを使って空を飛ぶ怪盗キッドを彷彿させるものがあります。世間の常識に縛られずに、もっと自由に生きてみたい。現代人が抱くそんな夢をスクリーン上で叶えてくれるのが、怪盗キッドなのかもしれません。

 正義のヒーローである江戸川コナンと闇の世界に生きる怪盗キッド。表裏一体の関係にある両者は、人気漫画家・青山剛昌氏が生み出した一卵性双生児のような存在ではないでしょうか。

(長野辰次)

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