実在有名人も恐れません 恐怖、過激さが尋常じゃなかった海外アニメ映画
ひと口にアニメ映画といっても実にさまざまで、なかには子供が観たらトラウマになるようなハードな作品も存在します。かわいい絵のアニメだから、有名な監督の作品だから……と、軽い気持ちで観るのは少々危険かもしれません。
死の恐怖が一番のトラウマ

かわいい絵のアニメだから、有名な監督の作品だから……と、前情報なしにアニメ映画を観るのは少し危険です。もしかするとその作品には、想像すらしていなかったショッキングなシーンが含まれているかもしれません。子供の頃にそういった映画をうっかり観てしまったがために、大人になったいまもトラウマになっている人は多いのではないでしょうか。
●『9 ナイン ~9番目の奇妙な人形~』
『9 ナイン ~9番目の奇妙な人形~』は、UCLA学生の卒業制作作品を元に作られたアニメーション映画です。『シザーハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』などで有名なティム・バートンさんが監督し、日本では2010年に公開されました。
小さな麻袋人形が物語の主人公で、子供向けの映画にも見えますが、実際は人類滅亡後の世界を舞台にしたダークファンタジーです。彼らの世界では巨大な機械獣「ビースト」が闊歩しており、人形たちはビーストに怯えながら暮らしていました。しかし、あるとき仲間のひとりが誘拐されたのをきっかけに、人形たちはビーストに立ち向かう決心をします。
暗く荒廃した街や無機質なビーストも物語の不気味さに拍車をかけていますが、なかでも人形たちが容赦なく命を落とす展開は多くの人に衝撃を与えました。ネット上でも「小学生の時に見てトラウマになった」「小さい子供はたぶん観ちゃダメ」といった声が多くある一方、「年齢が上がっていくにつれてすごく好きになる」「知る人ぞ知る傑作」などと高く評価されている作品です。
●『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』
イギリスのアニメ映画『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』(原作:リチャード・アダムス)は、1980年に日本で公開されました。40年以上前の作品ですが、その衝撃的な内容はいまも語り継がれています。
物語の主人公は、人間によって住処を追われた野ウサギたちで、彼らは安住の地を求めて旅に出るものの、天敵のタカや人間が仕掛けた罠など、容赦のない試練が野ウサギたちに襲いかかりました。作中には生々しい流血描写や、野ウサギたちが生き埋めにされるシーンまであり、人間の環境破壊がいかに罪深いかということを嫌になるほど思い知らされるでしょう。
環境破壊と弱肉強食の世界を正面からとらえた骨太のストーリーは根強い人気があり、2018年にはNetflixでCGアニメ版を配信、2024年にはHDリマスター版がリバイバル上映されました。この人気の再燃により、令和の子供たちにもトラウマを植え付けるかもしれません。
●『サウスパーク 無修正映画版』
アメリカの人気TVアニメシリーズ『サウスパーク』の初の劇場版である『サウスパーク 無修正映画版』は、日本では2000年に公開されました。
ポップな絵柄と裏腹なブラックユーモアあふれる作風は、日本でもコアな人気があります。R15+指定作品とはいえ、つい気になって見てしまった人も多いのではないでしょうか。
主人公は、サウスパークに住む4人組の子供たちです。みんなでR指定の映画を見るところから物語が始まり、突拍子もない展開、息を吸うように吐かれる放送禁止用語など、とにかく目まぐるしい内容が展開されていきます。社会風刺やカナダへの痛烈な風評被害に加え、歴史的犯罪者をイジり倒す、とあるハリウッド女優にとんでもない芸をさせるなど、怖いものなしのブラックユーモアが目白押しです。
途中からはアメリカとカナダの戦争がはじまり、目を覆いたくなる残虐映像が流れるほか、くせのある挿入歌もまた強烈で、ネット上には「歌が頭から離れない」「ずっと耳に残ってて地獄」などの声があがっていました。
(ハララ書房)