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今まさに共感? 原哲夫氏の漫画『中坊林太郎』、カネと不正に染まる権力者を豪快に裁く

報酬は没収財産の1割、驚異の「歩合制」

『公権力横領捜査官 中坊林太郎』第2巻(コアコミックス)。表紙では葉巻に豪快に火を付ける中坊が描かれる
『公権力横領捜査官 中坊林太郎』第2巻(コアコミックス)。表紙では葉巻に豪快に火を付ける中坊が描かれる

 主人公・中坊が所属する『公権力横領捜査室(通称:MEA)』とは、「国会議員、地方議会議員及び公務員等による公権力の不正利用を捜査・処罰するための組織』であり、その最大の権限は「財産没収権」。劇中の中坊の言葉によると「俺の報酬は公権力横領罪で悪党から没収した財産の10%」とのことで、「1兆なら1千億! ぬるま湯に浸かったお役所仕事とは一緒にすんなっ!」とも語ります。

 そのように「政治家が公権力を乱用し不正にため込んだ汚い金を押収する」という任務の達成度によって報酬を得るという、完全な歩合制です。また中坊は悪徳政治家たちに対して「ああいう連中が一番こたえるのはカネと権力を剥ぎ取られることだ」とも語ります。恐ろしや「公権力横領罪法」です。

 またこのMEAは超法規的な機関ゆえ、先の「財産没収権」だけでなく、「強制捜査権」や「司法取引」、「証人保護プログラム」などが許可されており、まさに悪徳政治家にとっては最強にして最悪の捜査機関。普段の中坊は気弱な行員の「林」を演じているのですが、毎回、毎回、悪党どもが「親」の話を出した途端、態度が豹変。「ぶかぁ~」と葉巻をくゆらし、「親は関係ねえだろ親は…俺の前で親の話はよしてもらおうか!」という決め台詞を吐き捨て、問題を一気に解決していきます。ここらあたりは、水戸黄門の印籠と同じパターンと思っていただければ間違いないと思います。

 今、現実の世界でたとえばこの「公権力横領取締室」が実際に設立されたら、何やらとんでもないことが起こりそうな予感もしますが、それはそれ。トンネル会社を使った政治家の横領や公権力の乱用、公的資金での救済を当て込んだ「天下り組」による銀行の乱脈経営などは、やはりマンガの世界の中だけのフィクションのおハナシと思いたいものです。

(渡辺まこと)

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