最後に「全部持ってっちゃった」　実写化作品で衝撃だった「シークレットキャスト」たち

特殊メイクすごすぎて出演シーン見ても「誰ですか」

　マンガの実写化作品のキャストは、事前に全て明かされていることが多いですが、話題性を狙うために、一部のキャスト出演を秘密にすることがあります。原作で人気のキャラを誰が演じるか観るまで分からず、ファンを驚かせた映画やドラマを振り返ります。

●『【推しの子】』

　2024年11月28日にAmazon Prime Videoで配信が開始された『【推しの子】』（原作：赤坂アカ／作画：横槍メンゴ）のドラマでは、物語の黒幕「カミキヒカル」役として、終盤に二宮和也さんが登場しました。

　同作はファンだったアイドル「星野アイ（演：齋藤飛鳥）」の子供として生まれ変わった主人公の｢星野アクア（演：櫻井海音）｣が、アイがファンに殺されたことで芸能界に入り、母親を死に追いやった人物への復讐を目指す物語です。

　2024年12月20日には、続編の映画『【推しの子】-The Final Act-』が公開され、原作のラストまで描かれました。アクアの宿敵となるカミキヒカルはドラマの第7話で初登場し、映画のクライマックスでは｢ニノのサイコ感が新鮮で不気味さを際立たせていた｣「カミキヒカルのよく分からない気味悪い雰囲気を見事に演じたニノはさすがの一言」「原作より大物感があった」などと称賛の声があがっています。

●『キングダム 運命の炎』

　2023年7月28日に公開された実写映画『キングダム 運命の炎』（原作：原泰久）では、シークレットキャストとして最後に「李牧（りぼく）」役の小栗旬さん、「ホウ煖（ほうけん）」役の吉川晃司さんが出演しています。同作は、かつて誰も統一したことがない春秋戦国時代の中国大陸を舞台に、秦国の奴隷の少年である｢信（演：山崎賢人）｣が天下の大将軍を目指すストーリーです。

　李牧は秦国と敵対関係にある趙国の軍師で、予告では後ろ姿のみ登場しており、本編では戦況を見ている秦国の軍師｢河了貂（かりょうてん　演：橋本環奈）｣たちの前に、謎の人物として現れています。また、趙軍の総大将であるホウ煖は、ラストで信が率いる秦国の部隊｢飛信隊｣の前に立ちはだかった最強の敵です。

　公開後に小栗さんと吉川さんの出演情報が解禁されると、｢小栗旬が演じる李牧の強者ゆえの余裕ある感じが原作通りで好き｣｢吉川晃司の『我武神、ホウ煖なり』のセリフと身のこなしの説得力に痺れた｣といった称賛の声があいつぎました。

　続く2024年『キングダム 大将軍の帰還』では、役のために15kg増量した吉川さん演じるホウ煖と、秦の大将軍「王騎（演：大沢たかお）」の大迫力のバトルも絶賛されています。

●『連続ドラマW　ゴールデンカムイ-北海道刺青囚人争奪編-』

　かなり特殊なシークレットキャストの例としては、2024年1月公開の映画の続編で、2024年10月からWOWOWで放送が始まったドラマ『ゴールデンカムイ-北海道刺青囚人争奪編-』（原作：野田サトル）の「誰なのおじさん」がいました。

　明治の北海道を舞台にアイヌの隠した莫大な金塊の争奪戦を描いた本作では、原作94話で敵キャラ「鶴見中尉（演：玉木宏）」たちのいる病院の部屋に、謎の中年男性が現れました。この人物が誰なのかは物語の最後まで全く分かりませんが、独特な髪形や包帯とコルセットを巻いた強烈なビジュアルで人気を博しています。

　ドラマの放送が発表された後、この誰なのおじさんのキャストについては、「原作者の野田先生がやるのでは」「TEAM NACSの誰かだと思う」など、さまざまな予想が飛び交っていました。そして、ドラマ第8話で登場した誰なのおじさんは、本当に誰か分からない状態で、リアルタイム視聴していたファンから「誰なの？怖いよぉ！」「似すぎててくそワロタ」といった声が続出します。

　特殊メイクでしっかり再現された誰なのおじさんを演じていたのは、映画1作目とドラマ第1話、9話の監督を務めた久保茂昭さんでした。マグミクス編集部がWOWOWのプロデューサーである植田春菜さんに行ったインタビューによると、8話監督の片桐健滋さんほかスタッフが、何としても誰なのおじさんを出したいと久保監督に打診したとのことで、原作ファンの久保監督も「お客さんが喜んでくださるなら」と承諾したそうです。

※山崎賢人さんの「崎」は「たつさき」が正しい表記。