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『ガンダム』話題の「オールレンジ攻撃」どう攻略? 名戦闘シーンに見るその対抗戦術

「シャリア・ブル」の戦闘がキレッキレすぎると、SNS上などで大いに話題となっています。死角のなさそうなサイコミュ兵器ではあるものの、しかし、弱点皆無というわけではなさそうです。

「オールレンジ攻撃」はどのように攻略する?

「HG 1/144 クシャトリヤ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ
「HG 1/144 クシャトリヤ」(BANDAI SPIRITS) (C)創通・サンライズ

 2025年5月20日深夜にTV放送されたアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』第7話では、本作の主要キャラのひとり、「緑のおじさん」こと「シャリア・ブル」の戦闘が描かれ、そのキレッキレの戦闘巧者ぶりにネット界隈などでも大いに話題となりました。

 いくらなんでも強すぎる、という印象すら抱いた人もいたようです。実際、「無双」とまでは言えないでしょうが、相手パイロットは強化人間で、しかも名のしれたモビルアーマー(MA)/モビルスーツ(MS)である「サイコガンダム」と「ハンブラビ」の2体を相手取っての完封勝ちですから、古参ファンほどそのように感じたかもしれません。

 とはいえここまで圧勝できたのには、ひとつ大きな理由が考えられます。それは宇宙世紀0085年の時点において、対サイコミュ兵器対策、すなわちオールレンジ攻撃に対抗する戦術そのものが確立されていないから、というものです。

 ここでいう「オールレンジ攻撃」とは、遠隔で誘導、操作できる「ビット」や「ファンネル」などの端末を駆使し、ビームなどで全方向から攻撃を仕掛けることをいいます。「ファースト」こと『機動戦士ガンダム』のTVアニメ版第39話「ニュータイプ、シャリア・ブル」では、シャリア・ブルの駆るMA「ブラウ・ブロ」のオールレンジ攻撃が描かれていました。

 その様子は、文字通りあちこちからメガ粒子砲を射撃する飽和攻撃、といったところです。これを受ける「アムロ・レイ」と「ガンダム」は、アムロの反応に機体が追いつかずオーバーヒートするほどの回避を見せていました。これは「ニュータイプ」のアムロだからできる芸当であり、当時の、いわゆる「オールドタイプ」には、まずついていけないことでしょう。連邦軍内でニュータイプ脅威論がはびこったり、強化人間を作ろうという発想が出てきたのもむべなるかな、といったところです。

 とはいえ、そうしたサイコミュ兵器によるオールレンジ攻撃を目の当たりにして、オールドタイプでも対抗できるよう、組織や個人を問わず対策や戦術といったものを考えるのは、当然の流れといえるでしょう。そのような相手との戦闘は避けるに越したことはありませんが、戦略上の理由や上からの命令で、どうしても戦わなくてはならない場面は出てこようというものだからです。

 そうした対抗策について、OVA『機動戦士ガンダムUC』には、実に興味深い描写が観られます。

 それは物語の冒頭で展開された、「シリーズ屈指のモブ(無名キャラ)が魅せる戦闘シーン」として語り継がれる、「ネオジオン軍(袖付き)」の強化人間「マリーダ・クルス」が駆るMS「クシャトリヤ」と、連邦軍のジェガンタイプMS3機の戦闘です。

 マリーダが3機撃墜という、結果だけ見れば圧勝の内容ではあります。しかしその3機のジェガンタイプのなかで唯一の「スタークジェガン」を駆っていた隊長格だけは、見せ場を作るなど善戦したといってよいでしょう。僚機が次々と撃墜されてもひるむことなく、ミサイル・ポッドなどの装備をパージし機体を身軽にすると、ファンネルの射撃をかいくぐりクシャトリヤへと肉薄します。

 この「肉薄」というのが、対サイコミュ兵器搭載機戦のポイントのひとつといえるようで、単純に考えても、確かに本体から離れた位置にあるビットやファンネル、あるいは有線遠隔操縦の砲にしてみれば、自らの本体(上記の例でいえばクシャトリヤ本体)を誤射しかねない位置関係になるのです。ビームを撃つ手も止まろうというものでしょう。

 上掲の、スタークジェガンに肉薄されたクシャトリヤもビーム・サーベルで応戦しており、射撃の手は止めざるをえなかったようです。つまりこの時点で、サイコミュ兵器の強みであるオールレンジ攻撃が封印されたといえるでしょう。あとは近接の格闘戦です。それもまた、ニュータイプや強化人間が強いであろうことに変わりはないかもしれませんが、少なくとも敵のオールレンジ攻撃を避けつつ撃ち合いをさせられるよりは、勝率も上がろうというものです。

 このように、後の世、すなわち『機動戦士ガンダムUC』の舞台である宇宙世紀0096年においては、対オールレンジ攻撃に関する戦訓の蓄積や戦術研究もそれなりに進んでいる様子がうかがえます。こういうところでも「宇宙世紀」という歴史が連綿と紡がれていることがわかる、といえるでしょう。

(マグミクス編集部)

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