「ジオング」のコックピットはどこにある? ←これが上級者ほど答えに窮するワケ
おなじみ「ジオング」は、頭部だけで戦う姿も印象的でした。なので誰しもコックピットは頭部にあるものと考えていることでしょう。ところが上級者になると、途端に即答を避けるようになるとか……無論、理由あってのことです。
言われてみれば確かに…アレはどこから乗ってんだ?

アニメ『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ(MS)「ジオング」は、ア・バオア・クーでの最終決戦時に投入されたニュータイプ専用機です。その大きさ、シルエットは既存のMSと大きく異なるもので、「シャア・アズナブル」が搭乗する際に整備士が放った「あんなの(=脚)飾りです」というセリフも広く知られます。
既存のMSと異なる点といえば、コックピットの位置もそうです。ご存知のようにジオングのコックピットは頭部にあり、ここだけを切り離した「ジオングヘッド」はビーム砲も備えているので、脱出ポッドとしてはもちろん、戦闘の継続も可能としています。
実際、「アムロ・レイ」の駆る「ガンダム」との戦いにおいて、ジオングは胸部をビームライフルで撃ち抜かれており、もしも既存のMSと同じ胸部にコックピットがあったら、シャアはその時点で戦死していたことでしょう。このあとシャアは頭部を胴体部から切り離し、離脱して戦闘を継続しています。
ところがここで、見逃せないひとつの描写があります。それは先の、シャアがジオングに搭乗する際のシーンです。このときシャアは、胸部に開いたハッチから乗り込んでいるように見え、TVアニメ版では第42話「宇宙要塞ア・バオア・クー」にて確認できます。
これはどういうことなのでしょうか。3つ、考えられるかと思われます。
ひとつは「コックピットが胸部と頭部の2か所にある」、もうひとつは「胸部で乗り込んだのち、コックピット部分が頭部へ移動する」、そして「実は胸部ハッチはただの入口で、機体内を移動して頭部コックピットに乗り込む」というものです。
「コックピットが胸部と頭部の2か所にある」というのは、『ガンダム事典』(講談社刊)に見られる説明です。とはいえそうなると、シャアは胸部コックピットに搭乗したのち、どのタイミングで、どんな理由で頭部コックピットに移動したのか、という点が問題になるでしょう。アムロがジオングの胸部を撃ち抜くまでに、シャアは戦闘のさなか、なんらかの方法で移動しなくてはならなくなります。この場合、一度機体の外に出たとは考えにくいので、機体内に移動経路があったのかもしれません。とはいえコックピットをなぜ2か所も設けるのかという、根本的な部分の説明がつかないでしょう。頭部が脱出ポッドも兼ねるわけですから、頭のコックピットひとつだけで十分のはずです。
「胸部で乗り込んだのち、コックピット部分が頭部へ移動する」説はどうでしょうか。これなら描写に矛盾はなさそうです。『UFOロボ グレンダイザー』にも、乗り込んだのちシートがすぃーっと移動する描写が見られました、あんなイメージでしょうか。とはいえ引き合いに出した「グレンダイザー」のように、これはいわゆるスーパーロボットに見られる文脈です。リアルロボット路線の観点からすると、移動する機構そのものがリアリティに欠けるといえるでしょう。
「実は胸部ハッチはただの入口」説について考えるにあたり、改めてTV版第42話と劇場版を確認してみたところ、確かにいずれも胸部ハッチ内部にシートのようなものが明確に描かれているわけではありませんでした。とはいえこれも、なぜジオングヘッドのハッチを使わないで、わざわざ機体内にそのような移動経路を設けるのか、という点が解消できません。有名なガンダムのラストシューティングで撃墜されたのち、シャアは後頭部のハッチから転がり出ており、ハッチそのものの存在は確認できています。
このほかにも、ジオングのコックピットについては長年、ファンのあいだでも様々な意見が交わされてきました。そうしたなかもっとも有力な説は「作画、ないし設定ミス」というものです。ま、そうでしょうねぇ。
(マグミクス編集部)
