『鬼滅の刃』鬼の記憶の謎 なぜ人間時代の思い出を忘れたのか? 推測される理由が切ない
『鬼滅の刃』に登場する鬼は、ある特徴から2種類に分類できます。それは、人間のときの記憶を宿している鬼とそうでない鬼です。どのような理由から、2種類の鬼が生まれるのでしょうか?そのカギを握るのは、人間時代の感情にありました。
過去を覚えている鬼は人間時代の記憶や感情が関係している?

『鬼滅の刃』で、主人公の「竈門炭治郎」をはじめとした鬼殺隊に立ちはだかる鬼には、見た目や性格までさまざまなバリエーションが存在します。そして、そのなかでひとつ大きな特徴があります。それは、人間の頃の記憶を宿している鬼とそうではない鬼がいるということでした。なぜ両者の違いが生まれるのか、そこには、「人間だった頃に強烈な負の感情を抱えているか」が大きく関係しているのではないでしょうか?
人間の記憶を残している鬼は、上弦の壱である「黒死牟(こくしぼう)」や「獪岳(かいがく)」、そして序盤の「鼓屋敷編」にて炭治郎と対峙した「響凱(きょうがい)」が挙げられます。例えば黒死牟は、最強の剣士として常に自分よりも優れた存在だった弟、「縁壱(よりいち)」に対して気が狂うほどの嫉妬や羨望の想いを抱えていました。獪岳と響凱は、自分の実力を認めない身の回りの人びとに対して、すさまじいほどの怒りを抱えていました。
一方、上弦の鬼である「猗窩座(あかざ)」や「堕姫(だき)」、「妓夫太郎(ぎゅうたろう)」、「半天狗(はんてんぐ)」は人間の頃の記憶がありません。彼らには、人間時代に未練がない、あるいは人間のときと性格・性質が大きく変わらない点が共通しています。
彼らは鬼になる前にさまざまな悪事を働き、罰を受けて命を落とそうというタイミングで鬼舞辻無惨と出会い、喜んで鬼になる道を選びます。猗窩座の場合は、愛する家族を奪われた復讐を果たし自暴自棄となったタイミングで無惨と出会い、強制的に鬼にされたという点で他と事情は異なりますが。
こうした鬼たちは、死の間際に人間時代のことを思い出すケースが多いです。どの鬼にも共通するのは、炭治郎との戦いで彼の言動に触れるうちに、人間のころの記憶が断片的に蘇る点にあります。他の階級が低い鬼たちもまた、炭治郎のまっすぐな心根や自分たちを人間扱いする様子に触れることで、人としての感情を思い出していました。炭治郎はいわば、天然の「鬼キラー」だったといえるでしょう。
ちなみに、この分類に当てはまらない特殊なケースといえるのが上弦の弐である「童磨(どうま)」です。童磨の場合、感情が欠落し他者に共感できないため、人間時代の記憶も「自分の理解できないことがたくさんあった不思議な思い出」くらいの感覚で覚えていたのかもしれません。
得体のしれないという点で、ある意味どの鬼よりも鬼らしかった彼ですが、その性格がたたり、無惨を含むすべての鬼から嫌われたり苦手扱いされていたりしたのは、なんとも皮肉な話です。
※「玉壺」はファンブックにて過去が紹介されていますが、その記憶を残しているのか不明であるため除外しています。
(サトートモロー)


