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最後の場面は1994年? 『あんぱん』のぶはモデル・暢さんより「長生き」したのか 「犬」「秘書のドラマ」にも注目

『あんぱん』最終話では、のぶの「最期」が描かれずに終わりました。彼女はあの後も長生きしたのでしょうか。

やなせたかしの「秘書」がモデルのキャラも登場しているが

柳井のぶ役の今田美桜さん(2018年12月、時事通信フォト)
柳井のぶ役の今田美桜さん(2018年12月、時事通信フォト)

『アンパンマン』の作者、やなせたかしさんとその妻の暢(のぶ)さんをモデルにした2025年前期のNHK連続テレビ小説『あんぱん』は、9月26日に全130話で完結しました。モデルの暢さんが1993年にがんで亡くなっているため、129話で主人公「柳井のぶ(演:今田美桜)」に病気が見付かったときは、視聴者から心配の声が相次いだものの、最終話では彼女の病状が回復し、5年経っても元気に生きている状態で終わっています。

 やなせさんの自伝『人生なんて夢だけど』(フレーベル館)では、1988年12月に暢さんに末期がんが見付かり、医者から余命3か月と宣告されたことが語られていました。しかし、やなせさんの献身的な支えもあって暢さんは奇跡的に回復し、5年後の1993年11月22日に安らかに息を引き取ったそうです。

 130話終盤の元気なのぶは、あの後しばらくして亡くなってしまったのか、それとも暢さんと違って夫「柳井嵩(演:北村匠海)」と一緒に長生きしたのか(やなせさんは2013年死去)、どちらなのでしょうか。

 のぶは1988年10月開始のアニメ『それいけ!アンパンマン』を見て、しばらくしてから入院しており、その後手術を受けて退院しています。130話では、自宅に戻ったのぶが嵩に「今年の桜は一緒に見れんかもしれんね」という場面がありました。「今年」とは1989年のことでしょう。

 そしてその後時間が飛び、「それから5年間、のぶは病気がすっかり治ったかのように元気に暮らしました」というナレーションが入り、のぶは新しく飼い始めた犬の散歩で走れるほど健康な姿を見せていました。この散歩の場面では満開の桜が映っていたため、1989年の5年後、1994年の春頃のことだと思われます。

 のぶは130話の時点で、モデルの暢さんより5か月ほど長く生きているようです。また、病気で死ぬ心配がなくなったから犬を飼い始めた、と考えることもできます。ちなみに、やなせさんたちは1980年代前半からチャコという柴犬の雑種を飼っており、チャコは暢さんの死からちょうど1か月後、同じくがんでこの世を去りました。

『あんぱん』は史実をもとにしたフィクションであり、視聴者としてはのぶが最終回後も長生きしたと思える方がうれしいでしょう。ただ、のぶが死なないとなると、なぜ出てきたのか分からなくなってしまう登場人物もいます。それは、『あんぱん』完結後の特別番組(9月29日~10月2日)の最終第4夜のSPドラマ「受け継ぐもの」の主人公「中尾星子(演:古川琴音)」です。

 彼女のモデルは、1992年に茶道教室で暢さんからスカウトされてやなせさんの秘書になり、現在はやなせさんの作品を管理する株式会社やなせスタジオの代表取締役を務めている、越尾正子さんだと思われます。

 星子はキャスト発表時、公式コメントで「やないさんとのぶさんを最後まで支え、2人の想いを引き継ぎアンパンマンを次の世代へ繋げている」「やない夫婦の意志を受け継いでいく」人物であることが説明されていました。暢さんの死後にやなせさんの秘書を20年以上務めた越尾さんのように、129話で嵩のスタジオで働き始めた星子も、のぶが亡くなってから嵩を支えていくのかと思われましたが、彼女は最終回に登場していません。

 公式コメントでは星子は「やない夫婦の意志を受け継いでいく」と説明されていたので、彼女は嵩とのぶがどちらも亡くなってから、『アンパンマン』を次世代につなげていくということなのでしょうか。SPドラマ「受け継ぐもの」で、何かヒントがあるかもしれません。

(マグミクス編集部)

【画像】え、「こんな美人だったとは」 コチラがやなせさんが「一目ぼれ」した妻・暢(のぶ)さんの若き日の姿です

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