「ガンプラが歩いてる…」『機動戦士ガンダム』等身大RX-78-2の超絶コスプレに「すごすぎる」
関西を中心に活動している造形コスプレイヤーの「ギャバソ」さんが、X(旧:Twitter)に投稿した「RX-78-2 ガンダム」のコスプレが、まるで等身大プラモデルのような再現度の高さです。
ガンダムの圧巻コスプレに反響

関西を中心に活動する造形コスプレイヤー・ギャバソさんが、X(旧:Twitter)で公開した「RX-78-2 ガンダム」のコスプレが圧巻のクオリティで注目を集めています。全高約2.4mの等身大コスプレは、まるで「動くガンプラ」そのもの。さらにバルカン砲やビーム・ライフルのLED発光、バーニアの光、胸部スラスターのミスト噴射まで、豊富なギミックが随所に施されています。
2025年10月、大阪で開催されたロボットコスプレ展示イベント「スーパーロボコス大展」に登場したこの作品は、3Dプリントとアナログ造形を融合させた「ハイブリッド造形」の結晶です。カトキハジメ氏デザイン(Ver.Ka)を忠実に再現し、どの角度から見てもバランスが崩れない緻密な設計が光ります。制作期間約7か月をかけた渾身の一作について、ギャバソさんに制作秘話を伺いました。
――コスプレ造形を始めたきっかけ、これまでのコスプレ歴を教えてください。
趣味でコスプレ造形をしています。コスプレ歴は21年になります。1970~90年代の特撮やロボットアニメなど、造形がメインのキャラクターを好み、質感とバランスに重点を置いた作品づくりを得意としています。始めたきっかけは、ハロウィンパーティーで子供の頃から好きだった『宇宙刑事ギャバン』のコンバットスーツを作ったことでした。
イベントで色々な方と触れ合う楽しさを知り、造形だけではなくポーズや仕草も資料を見ながら忠実に再現することを意識するようになりました。SNSアカウント名「ギャバソ」も、その時ギャバンのコスプレをしていたことに由来しています。
造形スキルは独学です。SNSがまだない時代、造形をブログで発信していた方々の記事を見ながら手探りで始めました。制作ごとに新しい素材や手法を取り入れながら、少しずつスキルを磨いてきました。近年はデジタルとアナログを融合した「ハイブリッド造形」に力を入れており、その積み重ねが今回のガンダム制作にもつながっています。
――「ガンダム」との出会い、今回の「RX-78-2ガンダム」制作までの経緯を教えてください。
このガンダムコスプレは、2022年の「レッドブル・ボックスカートレース」出場のために制作しました。30秒間のパフォーマンスやピットでの盛り上げも評価対象というイベントで、「どうせなら本気でやろう」と思い立ちました。
ガンダム作品のなかでも特に好きなのが『機動戦士ガンダム』(いわゆる「ファースト」)で、以前からいつか作りたいと思っていました。せっかく作るなら「ガンプラのバランスをそのまま再現したガンダム」にしようと決め、制作をスタートしました。
――制作にあたって工夫した点や大変だった点を教えてください。
・ 使用素材:
3Dプリント、サンペルカ、プラ板、FRPなどを組み合わせています。
・ 制作期間:
約7か月(その後も改修を重ね、現在の形に至ります)
・コンセプト:
「そのままを再現する」──ガンプラのバランスやディテールをできる限り忠実に再現することをテーマにしました。
ガンダムには多くのバリエーションがありますが、自分が最も好きなカトキハジメ氏デザイン(Ver.Ka)を選択しています。3Dモデリングを行い、等身大データと組み合わせると全高約2.4mのスケールになりました。シルエットを再現するため、60センチのスティルト(高下駄)を装着して全体バランスを取っています。
特にこだわったのは頭部のフル3Dプリント再現です。どの角度から見てもカッコよく見えるよう、造形には細心の注意を払いました。3Dプリントは「 RealizePlus(X:@Realize_Plus)」のメガブー(X:@Realize_mega)さんが担当し、FDM方式で高精度な出力が可能な「クホリア」を使用しています。
本体パーツは主にサンペルカで軽量化を図り、映える部分に3Dプリントを効果的に配置しました。巨大なシールドにはプラ板構造を採用し、強度と軽量化を両立しています。
武装はビーム・ライフルや60mmバルカン砲×2がLEDで発光します。電飾とプログラム制御は「エーデルワークスプロジェクト」が担当しました。さらにランドセルのバーニア発光や胸部スラスターのミスト噴射など、1/1立像さながらのギミックも盛り込んでいます。
イベント展示用の台座は、相棒の「かっすん(X:@kassun100)」がMG横浜ガンダム立像の台座を参考に制作しています。強度と美観の両立に加え、装着サポートもしてくれています。
大変な点は「造形そのもの」よりも装着してのコスプレの方かな(笑)? 全装着時はかなりの重量になり、普通なら60cmのスティルトで立つのも大変ですが、バランスには自信があり、コスプレ時は安全には細心の注意を払っています。
3年前はまだ3Dプリンターとアナログ造形を融合させたコスプレは珍しかったのですが、これまでの試行錯誤を経て、ようやく理想の形に到達できたと思います。
――撮影時に印象に残ったことを教えてください。
「スーパーロボコス大展」では、大型スクリーン前でのギャザリング演出が可能です。動きに制限があるぶん、映像や音楽を活かしてスケール感や武装ギミックを魅せることを意識しています。
特に印象的だったのは、同イベントでコス仲間の「ナルトン」さんが同スケールのザクII F型を4か月で完成させ、同じステージで「対決」をテーマにギャザリングができたことです。
互いに影響を受け合いながらステージを盛り上げることができ、とても素敵な体験をすることができました。
(乃木章)






















