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八雲・出雲・天国? 『ばけばけ』勘右衛門が考えたヘブンの「日本名」に予想合戦 初期に重要な「和歌」詠んでたの覚えてる?

『ばけばけ』114話では、いよいよレフカダ・ヘブンの「日本名」が決まるようです。

もともと『古事記』好きだったラフカディオ・ハーン

小日向文世さん(2023年5月30日、時事通信フォト)
小日向文世さん(2023年5月30日、時事通信フォト)

 放送中のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』第23週113話では、主人公「松野トキ(演:高石あかり)」がいままで養子として育ってきた松野家から、生家・雨清水家に復籍することが決まりました。後は、夫「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」と息子「勘太(演:土井嶺)」が雨清水家に入籍すれば、彼らは晴れて正式な家族となり、ヘブンは日本人になります。続く114話のあらすじを見ると、ヘブンの日本名はトキの養祖父「松野勘右衛門(演:小日向文世)」が考えるそうです。

 ネット上ではヘブンの日本名が何になるのか、さまざまな予想の声が出ています。一番多いのは、モデルの小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)からとった「雨清水八雲」になるのではないかという意見ですが、「『雨清水夕雲』かもしれん」「ヘブンが天国で天国町にちなんだりして雨清水天国になるんかな」「ハーンさんが小泉八雲になった『八雲』の部分、これが島根県にまつわるものであれば、意固地になってる県知事的にもOKなのでは? 『出雲』とか」などなど、少しもじった別の名前になるのではないか、というコメントもありました。

 ラフカディオ・ハーンは1896年2月、妻のセツを戸主とする小泉家の分家に入籍し、戸主を相続して日本に帰化しています。1891年夏からの事実婚状態は解消され、彼の遺産も日本の家族たちに渡ることになりました。

 その八雲という名前は、実際に勘右衛門のモデルであるセツの養祖父・稲垣万右衛門が考えたものです。史実では万右衛門はセツたちと一緒に熊本に移住しており、1894年10月に他の家族が神戸に引っ越すなか、ひとりで松江に戻っています。

 ハーンが日本人になると聞いて、万右衛門が参照したのは『古事記』にある日本最古の和歌「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を」でした。こちらは日本神話の神「素盞嗚尊(スサノオノミコト)」が、怪物「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」を倒して救った「稲田姫命(クシナダヒメ)」を妻にする際に詠んだ、喜びの歌と言われています。

 ハーンは八雲という名前に関して、親友・西田への手紙で「年寄りたちが、この名前を選びましたが、それで結構だろうと思います。それは、わたしが、今後神々の国に属していることを思い出させるものです」(1895年12月)と語っていました。そのほかの知人への書簡でも「稲垣老人(万右衛門)」が名前を考えてくれた、と書いています。

 ハーンはもともとイギリスの日本研究家、バジル・ホール・チェンバレンによる英訳版『古事記』に感銘を受けた人物であり、日本に興味を持ってやってきたのも『古事記』が理由のひとつと言われています。帰化する前の来日後初の著作『知られぬ日本の面影』(1894年)にも、『古事記』や「八雲立つ」に関する記述がありました。万右衛門が提案した日本名・八雲は、ハーンにとって嬉しかったはずです。

 また、「八雲立つ~」の和歌のなかの「八重垣」という言葉は、『ばけばけ』第1週でトキが硬貨を紙に乗せて池に浮かべる「恋占い」をした、八重垣神社の名前の由来にもなっています。第2週6話で、トキの占いが「なかなか沈まず池の奥に沈む(遠くの人と結婚する)」という結果になったと聞いた勘右衛門は、「八雲立つ」の和歌を詠みあげ、「由緒正しき縁結びの地」である八重垣神社の占いは、必ず当たるだろうと語っていました。

 恋占いのエピソードは、トキが外国人・ヘブンと結婚することを予言していたほか、勘右衛門が『古事記』からヘブンの日本名を考えるという伏線も張られていたようです。やはりヘブンは、大方の予想通り「雨清水八雲」になると思われます。

※髙石あかりさんの「高」は「はしごだか」

参考:参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(著:長谷川洋二/潮出版社)、『ラフカディオ・ハーン 西田千太郎 往復書簡』(訳:常松正雄/八雲会)、『新編 日本の面影』(著:ラフカディオ・ハーン/訳:池田雅之/KADOKAWA)

(マグミクス編集部)

【画像】え…っ! 「めっちゃ可愛い」「目鼻立ちが」 コチラが勘右衛門のモデルも溺愛したという「小泉八雲の長男」の美少年な写真です

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