マグミクス | manga * anime * game

『ばけばけ』視聴者号泣の「ヘブンから錦織への献辞」 史実の書籍の写真も話題に モデル人物からのハーンへの感謝とは

『ばけばけ』第23週では、錦織がヘブンを作家として焚き付け、最後にリテラリーアシスタントとしての役目を果たしました。

モデルも相当喜んでいた

吉沢亮さん(2020年2月、時事通信フォト)
吉沢亮さん(2020年2月、時事通信フォト)

 連続テレビ小説『ばけばけ』23週115話では、親友の「錦織友一(演:吉沢亮)」から、「焚きつけられた」ことによって、「レフカダ・ヘブン(演:トミー・バストウ)」が一心不乱に1冊の本を書き上げます。『東の国から(Out of the East)』というこの本の冒頭には、「TO NISHIKOHRI YUICHI IN DEAR REMEMBRANCE OF IZUMO DAYS(出雲時代の懐かしい思い出に。錦織友一へ)」という献辞が入っていました。放送後、モデルのラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が実際に書いた本の情報にも反響が集まっています。

 放送後、松江市にある出版社・ハーベスト出版がXで

「西田千太郎へ捧ぐ

 ハーンの著作『Out of the East』の献辞は親友に捧げられました

 出雲時代の懐かしい思い出に。西田千太郎へ」

 と、史実のハーンと錦織のモデル・西田千太郎に関するポストをしました。

 1895年3月9日に出版された『東の国から』は、日本を訪れた旅人から現地で暮らす生活者へと変わったハーンが、日本人を観察してまとめた、随想、評論、再話からなる1冊です。1894年9月出版の『知られぬ日本の面影(Glimpses of Unfamiliar Japan)』に続く、ハーンの日本に関する2冊目の書物でした。

 ハーベスト出版のXは初版『東の国から』の冒頭にある、ハーンから西田への献辞の写真も載せています。名前以外は『ばけばけ』と同じ文言です。

 ハーンは1894年9月下旬の時点の西田への手紙で、『東の国から』を書き終え、そのうちの何章分かの原稿を送ったことも語っています。そして、出版後の1895年4月8日付の西田からの手紙では、

「今朝学校(島根県尋常中学校)に行ったらわたしの机の上に小包があるのが分かりました。アメリカからわざわざ送られてきたものでした。その中身が何であるか思いつくことができず、急いで開けてみたら、嬉しく、また驚いたことに『東の国から』という標題の大変見事な新しい本だと分かりました!」

「わたしはこの本のことをたびたび聞いていて、できるだけ早く見たいものだと思っていましたが、こんなに早く手に入るとは全然期待していませんでした。わたしの大きな喜びを―とくにこれまであなたがわたしにおっしゃっていたように、わたしに対するあなたのご親切な記念として献辞を記して戴くという栄誉を得たのですから―あなたにはきっとご推察していただけるでしょう。あなたにはお礼のことばもありません」

 と、本を贈ってくれたハーンへの謝辞がつづられていました。西田も、錦織のように献辞を読んで微笑んだのでしょうか。

 そして、1896年2月に日本人・小泉八雲となったハーンは、同年6月、妻のセツや長男・一雄らを連れて、松江へ帰省します。そこで西田と再会し、8月にはかつてセツと結婚を誓った出雲大社のある杵築まで、ともに旅行もしたそうです。

 楽しいひと時だったようですが、西田は翌1897年3月15日に結核で亡くなり、松江帰省がハーンと彼が最後に過ごした時間となりました。

 ちなみに、ハーンは松江に帰省した時のことを記した随筆「出雲への旅日記」を、アメリカの雑誌『アトランティック・マンスリー』1897年5月号に寄稿しています。そのなかでは、

「かつてその地を愛し、その地を去ってふたたび訪れた時は、人はまったく平穏無事ではあり得ない。…私は、消えてなくなったものは一体何であろうかと考えてみた」

「なくなった魅力というのは、私自身の生命から蒸発したあるものではなかろうか。つまり、私が日本に対して初めて感じた消すに消されぬ幻影に属する何かではなかろうか」

 と、久しぶりに訪れた松江に関する、自分の心境の変化も語られていました。ヘブンが錦織に指摘されていたように、ハーンも日本への「幻想」を失いかけていたのかもしれません。

参考書籍:『八雲の妻 小泉セツの生涯』(潮出版社)、『ラフカディオ・ハーン 西田千太郎 往復書簡』(八雲会)、『東の国から──新しい日本における幻想と研究』(岩波書店)、『明治日本の面影』(講談社)

(マグミクス編集部)

【画像】え、「確かに痩せてる…」「減量した吉沢亮と似てる」 コチラが34歳で亡くなった錦織のモデル人物の写真です

画像ギャラリー

1 2

マグミクス編集部関連記事

もっと見る

編集部おすすめ記事

ドラマ最新記事

ドラマの記事をもっと見る