『カウボーイビバップ』のTV最終回「よせあつめブルース」でわかった、真のエンディング
TV版最終回で初めてわかった、「真の終わり」の存在

ただ、このあたりの情報は今だからこそ分かる話で、当時の視聴者は知りません。もちろん筆者も何も知らず、スタイリッシュなオープニングとウェットなエンディングテーマ、超一流の作画とアクション、そして声優陣の達人的な演技を楽しんでいました。
そう、このときの筆者は『カウボーイビバップ』をギャグとシリアスを織り交ぜた、1話完結のスペースオペラ作品としか思っていなかったのです。TVで放送された1話は本来の2話である「野良犬のストラット」でしたが、後に真の1話である「アステロイド・ブルース」を見て、ラストの「アディオス」の声の後に起こった出来事を見て絶句したことを思い出します。最初に「アステロイド・ブルース」を見ていたら、『カウボーイビバップ』という作品を誤解することもなかったでしょう。
そのような誤解をしながらもずっと見続けていた理由は、不完全な状態でも非常に素晴らしい作品だったからに他なりません。しかし、おそらく本作の全体像を理解している製作スタッフはさぞかし無念だったことでしょう。その思いが、13話「よせあつめブルース」へとつながっていったように思えます。
「よせあつめブルース」は、作中の映像を切りとりつなぎ合わせた、総集編として作られているように見える作品でした。しかし作品を彩った声優陣が語るセリフはどこか作為的につなぎ合わせられたような言葉が並び、「これはただの最終回ではないな」と感じさせる作りとなっていたのです。
やがてエンディングを迎えようとしたときに、画面にはふたつの文が映し出されました。
「THIS IS NOT THE END」
「YOU WILL SEE THE REAL”COWBOY BEBOP”SOMEDAY!」
このときはじめて、視聴者はこれが真の終わりではないことを知らされたのです。
言葉の意味を知るのはそれから4か月後。WOWOWでの放送がスタートし、真の『カウボーイビバップ』を目にしたときとなりました。
(早川清一朗)




