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水曜発売なのになぜ「少年サンデー」? 有名マンガ誌名、意外な4つの由来

「ジャンプ」「サンデー」「コロコロ」これらの誌名には、一体どんな想いが込められているのでしょう。調べてみると、想像の斜め上の答えに行き着くこととなりました。創刊当時の状況とともに解説していきます。

大事なのはフィーリング? 深かったり浅かったり…意外な雑誌名の由来

「週刊少年サンデー」2021年28号(小学館)
「週刊少年サンデー」2021年28号(小学館)

 電子書籍にWeb媒体……ここ数年でマンガ消費のあり方は大きく変容し、それでいて大きな盛り上がりをみせています。こうした時代の転換期においても「マンガ雑誌」という形態が、変わらず愛され続けているのはうれしいことです。さて、そんなマンガ雑誌ですが、誌名に目を向けると、不思議なものがちらほら。例えば「週刊少年サンデー」はその最たるもの。「水曜日発売なのになんでサンデーなのか?」という小さな疑問は多くの人の心に巣食ったままのはず。

 ということで本稿ではWeb、電子版と形を変えてもなお読まれ続けている国民的「マンガ雑誌」の誌名の由来をご紹介。そこより創刊当時の編集者たちの想い、マンガを取り巻く当時の環境を紐解いていきましょう。

●いにしえからの謎 水曜発売「週刊少年サンデー」の「サンデー」とは?

“子どものころにわかりかけてたことが 大人になってわからないまま”

 こちらは「週刊少年サンデー」で連載中の『名探偵コナン』(著:青山剛昌)の初期アニメ主題歌『胸がドキドキ』(THE HIGH-LOWS)の詞の一部を抜粋したものですが、まったくこの詞の通りです。多くの小学生が「なんで水曜発売なのにサンデーなん?」と疑問に思ったまま大人になっていることでしょう。この不思議な誌名を名付けたのは初代編集長で「まるで日曜日のように楽しい気分になれるように」という想いが込められていたのだとか。決して「日曜発売だったから」というわけではありませんでした。ようやく、大人になれた気分です。

●「週刊少年ジャンプ」という誌名は新人編集者が15分で考えた!

 長きにわたりマンガ誌の頂点に君臨し続ける「週刊少年ジャンプ」ですが、その誌名の由来はというとこれがなかなか判然としません。広く認知されているのが「ホップ・ステップ・ジャンプ」を由来とする説。創刊前から人気を博していたライバル誌「週刊少年マガジン」と「週刊少年サンデー」の二誌を見据えて「ホップ・ステップ」そして「ジャンプ」できるようにと名付けられたというものです。実際、ジャンプ創刊はこの二誌より10年ほど遅れた1968年であり、後塵を拝した状況でのスタートでした。確かに一定の説得力があるのも事実ですが、実際のところはどうだったかというと、名物編集者・角南攻氏が当時の編集長に急かされ15分で考えたものであり、特に深い意味があったわけではない、とのことです。

●「コロコロコミック」の由来はそのサイズにあった!

 小学生の聖典として長らく読み継がれている「月刊コロコロコミック」の誌名の由来も気になるところです。1977年に創刊された同誌ですが、こちらの由来は「コロコロしたサイズだから」ということです。……少々説明が必要でしょう。小学館の目玉雑誌であった学年誌(「小学△年生」シリーズ)が大判であり、それと比較して“コロコロ”している、という意味です。今では比較対象の学年誌自体がなくなってしまっているのが寂しいところ。また、この“コロコロしている”という言葉も時代を感じる形容表現で、一般に丸くて太って愛らしいさまを指す語です。そういう意味では今も昔も二頭身の丸っこいキャラクターがたくさん活躍しています。

●廃刊になってしまった異端誌「コミックボンボン」は読んで字のごとく?

 惜しまれつつも2007年に廃刊してしまった異端の月刊誌「コミックボンボン」(講談社)ですが、こちらの由来も長らく不明、ないしはさほど気にされずにいました。とは言え、「BOMBOM」という表記や、爆弾マーク、創刊号の表紙にある「わらいのばくだん大爆発」などの文言から、名前に込められた「想い」は察することができるでしょう。

 以上、ここまで代表的なマンガ雑誌名の由来を見てきましたが、きちんとした形で「史料」が残されている場合は往往にして少なく、創刊時の突貫ぶりなども伺える結果となりました。なお今回は少年誌に限定しましたが、少女向け、青年向けにも気になる雑誌名はたくさん存在しています。……まだまだ掘り下げ甲斐がありそうです。

(片野)

【画像】「サンデー」連載中の人気作品は?

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