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憧れの”猫が住みやすい家” キャットウォーク、バルコニー…「何か足りない」

漫画家の迷子さんによる描き下ろしエッセイ『妄想猫観察』。3匹の猫を飼っている友人の家を訪れた迷子さんは、猫が住みやすい家造りを妄想します。完璧な”猫が住みやすい家”に足りないものとは?

猫が住みよい家造り 不要なものって…

3匹の猫がいる友人宅を訪れる
3匹の猫がいる友人宅を訪れる

 以前子猫を見せてもらった友人の家を再度訪れた。子猫はいなかった。大きく育った爆裂に可愛いふかふかが存在していた。最高というやつである。指で輪を作り「こんなに小さかったのに!」などとウザ目の親戚ムーヴを繰り出しながら近づき身を屈め曲げた指を差し出す。闖入者にびっくりしつつも鼻を近づけご挨拶をしてくれた。最高の猫である。偉い、ありがとう、命……。あんなに小さく手のひらに乗るほどだった体は、ぱやぱやの毛はそのままに実にBIGに成長している。この腹毛を見よとばかりに見せてくるので少々触らせていただいた。テンションが上がる。そんなことをしていると、他2匹の猫も続けて鼻を寄せに来てくれた。3匹も飼っているのだこのおうちは。いいなあ。友人は、猫がキャットタワーから天井近くを巡れるように棚を壁沿いに追加で取り付ける計画を立てているらしい。

 猫が住みよい家造りには憧れる物がある。石油を掘り当てたならば一から設計してもらいたい。キャットタワー代わりにすべての壁をぐるりと巡る猫通路はもちろんのこと、ふかふかのクッションや身を隠して遊べるトンネル。爪研ぎ、おもちゃなどの設備も完璧だ。自由に外の景色を眺められる張り出し型のガラス窓やある程度自由に出られるバルコニーも必要だろうか。トイレはいつも清潔に保たれ室温は快適で、床には柔らかな日が当たるのだ。いいなあ。しかしまだ何か足りない。そうだ、人用の設備が邪魔だ。最低限の環境整備やお世話の為に人を雇うが、それ以外は家から人を排除しよう。

 かくして完璧な猫ハウスが完成する。家を外から見るたびに、心には平穏が訪れる。あそこには楽園があるのだ。

(迷子)

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