『ジョジョ』の可哀そうな悪役たち 1人だけ仲間外れ、休眠中に浮気されトラウマが…
『ジョジョの奇妙な冒険』ではさまざまな悪役たちが登場します。そのなかには成敗されて当然のとんでもない極悪人もいれば、「まあ悪い奴だけど、なんか可哀そうだな」と思ってしまうキャラもいました。今回はほかの仲間からぞんざいに扱われたり、更生しようとしても叶わなかったりと、不憫な悪役4人を紹介します。
自分のスタンドにまで皮肉られる
『ジョジョの奇妙な冒険』には、実に多種多様な悪役たちが登場します。そのなかには、読んでいるうちに「ちょっと不憫だな……」と思ってしまうかわいそうな悪役も出てくるのが特徴です。
●第2部 「柱の男」最弱の敵……サンタナ
ジョセフたちが戦う「柱の男」のひとり、サンタナはメキシコで発見されると、ナチスのシュトロハイム隊による研究対象となります。復活したサンタナはザコ吸血鬼を一瞬で細胞ごと捕食、さらに何千年も眠っていたのに、いきなり現代の言葉を理解するなどの知能を見せつけました。そして体を折りたたんで空気供給管から脱出すると、ナチス兵たちをあっという間に皆殺しにします。その後駆け付けたジョセフも大苦戦し、何とか石化させることに成功した強敵、のはずでしたが……。
その後、ローマで復活した超強敵、カーズ、ワムウ、エシディシの3人とのバトルが白熱すればするほど、波紋のことも知らない、特定の「流法(モード)」も使えない、そもそもひとりだけ仲間外れでメキシコにいたサンタナとはいったい何だったのか……と不憫に思えてくるのです。のちにワムウと同世代であったことも判明しますが、「戦闘の天才」との差があまりにも開きすぎていて悲しくなります。
サンタナはその後、シュトロハイムを機械人間に改造するための実験で、細切れにされて殺されたと推測されます。
●第3部 更生する決意までしたのに……ボインゴ
第3部の刺客で、未来を予言するマンガ型のスタンド「トト神」を使うボインゴは、まだ小学校低学年くらいの子供です。ずっと木箱に隠れている内気な性格で、兄のオインゴ以外とは上手く喋しゃべれない彼は、承太郎たちと2回戦うも存在すら認知されずに退場しました。
「トト神」は「〇〇をすれば〇〇になる」と予言するものの、情報を小出しにする上になぜそうなるかの過程を説明してくれないため、彼と組んで戦ったオインゴやホル・ホースは予言を信じ切れずに余計な行動を取ったり、焦りすぎて凡ミスをしたりして結局再起不能になります。
そんな仲間の惨状を見たボインゴは、自身のスタンドは人助けに使った方がいいと更生するのですが……蹴っ飛ばした木箱がイギーに当たって噛みつかれ入院、さらに暗い性格になってしまいます。その際、「トト神」のマンガに「人の性格がそんなに簡単に変えられ成長できるなら誰も苦労はしません」と、身もふたもないことを書かれるのでした。