「ジャンプ」の王道展開、敵が味方に! グッとくるシーン4選
少年マンガの王道のひとつ、「敵キャラが仲間になる」展開。そのきっかけには、主人公やメインキャラが見せたさまざまな「優しさ」があります。今回はそのなかでもとくにグッとくるエピソードを紹介します。
「めしは一緒に食ったほうがうまい」
「週刊少年ジャンプ」でよくある王道展開のひとつに、敵だったキャラが仲間に加わるパターンがあります。とはいえ、最初は悪役だった者たちが簡単に変わるわけではありません。そこには主人公やメインキャラたちの優しい言葉と行動があったのです。
●『ジョジョの奇妙な冒険 第4部』仗助が億泰を助けた理由
『ジョジョ』第4部の序盤、弓と矢で杜王町の住民たちをスタンド使いに変えていた虹村兄弟と東方仗助が戦った際、まず仗助は弟の億泰に勝利します。その後、兄の形兆の恐ろしい軍隊型スタンド「バッド・カンパニー」との戦いが始まるのですが、まだ負けを認めていなかった億泰はそこに割り込んで、兄のスタンドの攻撃をモロに食らってしまいました。
いったん虹村家の外に出た仗助は、瀕死の億泰に兄のスタンドの秘密を聞こうとしますが、億泰は答えません。それでも仗助は「クレイジー・ダイヤモンド」で億泰を治療しました。そして、「なんで傷を治した?」と聞く億泰に仗助はこう答えます。
「深い理由なんかねえよ 『なにも死ぬこたあねー』 さっきはそー思っただけだよ」
そっけなくも優しさにあふれたこのセリフに胸を打たれた億泰は、自分の「ザ・ハンド」で仗助に借りを返します。戦いが終わった後、形兆が億泰をかばって「レッド・ホット・チリ・ペッパー」に殺された際も、悲しむ億泰に仗助は優しい言葉をかけました。次のエピソードからは、ふたりは一緒に登下校する親友同士になっています。
●『花の慶次-雲のかなたに-』慶次が捨丸と一緒に鍋を食べる
戦国一の傾奇者(かぶきもの)、前田慶次の活躍を描いたマンガ『花の慶次-雲のかなたに-』に登場した捨丸は、泣けるエピソードの多い男でした。もともとは慶次を殺したがっている忍者・四井主馬の手下で、弟を慶次の愛馬・松風に蹴り殺されています。しかし、慶次の強さ、傾奇者ぶりに惚れこんでもおり、初登場の際は慶次の家来になるために7人の仲間を殺して首を持ってくるほどの覚悟を見せました。
その後、捨丸は家来として生きるか、それとも慶次を殺して主馬に侍にしてもらうかの岐路に立たされます。悩んだ捨丸は鍋を作って慶次が食べている間に殺そうとしますが、そこで慶次は「主人も家来もあるか めしは一緒に食ったほうがうまい」と言って、捨丸も食べるように言うのです。主馬の下では残飯しか食べられなかったことを思い出し、さらに傷の心配までされた捨丸は号泣。「こ…こんな人殺れるかよ…殺るんなら正々堂々と戦って殺らなきゃ罰が当たるわ」と慶次についていくことを決意します。
捨丸はその後も慶次をサポートし、共に戦う一番の家来として付き添います。そして、忍(しのび)として生きていたころには考えられないような、武人としての名誉も得ることになるのでした。自分を殺そうとする者まで、すべて「友」と考える慶次らしいエピソードです。