TVでよく見る漫画家の作品、読んだことある? ヘタウマ、風刺四コマ、歴史大作まで
TVに多数出ながらも江川作品は多彩
●やくみつるさんは風刺パロディマンガの第一人者
ある時は辛口コメンテーターとして、ある時は新語・流行語大賞の選考委員として、ある時は芸能界珍品コレクターとして、多岐にわたってメディアでご活躍中のやくみつるさんですが、本業は間違いなく漫画家です。今やご意見番の重鎮といった立場ではありますが、果たしてどんな作品を描いているのでしょうか。
1981年に「はた山ハッチ」名義で、『がんばれエガワ君』という四コママンガで本格デビュー。以降、『パロ野球ニュース』などを長期連載しています。並行して「やくみつる」名義で作品も描かれるようになり、1994年より「しんぶん赤旗」日曜版で連載を開始した風刺マンガ『やくみつるの小言・大言』は2014年に単行本化されて話題を集めました。
また1996年には『やくみつるの三面マンガ』『オニのやく目玉』で第42回文藝春秋漫画賞を受賞。メデイア出演も多いなか、非常に多くの作品を発表し続けています。最近では「やくみつるの秘宝館」というYouTubeチャンネルも開設されました。
●江川達也さんの最近の活動
『まじかる☆タルるートくん』や『東京大学物語』などの大ヒット作品で知られる江川達也さんは、本業「漫画家」としての活動も広く認知されてはいます。しかし、最近はどのような作品を描かれているのでしょうか。リアルタイムで上記作品を読んでいない人からすれば、たまに「タモリ倶楽部」に出る人というイメージになっているかもしれませんが、そんなことはありません。
上記以外にも『日露戦争物語』といった史実に基づいた壮大なスケールの作品や、戦後最大の奇書とされる沼正三の『家畜人ヤプー』をマンガ化するなどスリリングな作品を送り出し、2010年代に入ってからは紙媒体とは別にWeb媒体でも作品を執筆しています。
2010年に「E★エブリスタプレミアム」で『あああああい先生』を連載。また、2016年には「サンデーうぇぶり」などで自伝的マンガ『忘却の涯て 16歳の自分への手紙』を連載しました。
漫画家の先生がTVで重宝されるのは、世間に対する独自の批評性を持っていらっしゃる方が多いからでしょう。時にその発言が炎上しようとも(蛭子さんはわかりませんが)、それもまた構成(ネーム)のうちに入っているのかもしれません。TVで活躍される漫画家さんが、ひとたび筆を握った時の破壊力は格別。ぜひとも作品に触れて、確かめてみてください。
(片野)