「ジャンプ」驚異の「2発屋」マンガ家4人 バトルものから異例のラブコメ転身も?
心身を削って描いた大ヒット作たち
●「3発目」も大好評連載中……松井優征先生
現在、『逃げ上手の若君』が好評連載中であり、とっくに「3発目」を成功させているのではないかという声も聞こえてきそうですが、松井優征先生も紹介させてください。
2004年連載開始のデビュー作『魔人探偵脳噛ネウロ』が、いきなり全23巻のロングランヒット。魔人と女子高生コンビによる、トリッキーな設定の極上ミステリーエンタメでした。アニメ化、ゲーム化もされています。
そして2012年からは謎の生物である担任を暗殺しなくてはならない、インパクト抜群な設定の『暗殺教室』が、これまた全21巻で累計発行部数2500万部の大ヒット。本作はアニメ化、そして実写映画化もされ、街中のいたるところに「殺せんせー」のあの笑顔が出現しました。
●巨匠中の巨匠……鳥山明先生
恐縮も良いところですが、鳥山明先生もまた「ジャンプ」本誌の連載に限っていえば堂々たる、あまりにも偉大な「2発屋」です。3年以上にわたる長期連載においては1980年連載開始の『Dr.スランプ』、そして1984年連載開始の『ドラゴンボール』の2作品、どちらも社会現象、そして地球規模の人気を獲得しているのです。作品のスケール感と、その人気が相関を成すというのも非常に珍しいのではないでしょうか。
さてご存知の通り鳥山明先生はその後、短期集中連載という形でジャンプ本誌に作品を発表しています。先生曰く「(もともと)週刊連載はむいていないのでありました」とのことで、いかに上記2作品を心身削りながら執筆されていたかがうかがえます。
鳥山先生だけではありません。今回、ご紹介させていただいた先生がたも、当然のごとく、長期週刊連載を終えるだけでも「一生涯」分に相当する疲労が蓄積されていたことでしょう。それほどハードな連載を終えてなお、次回作の構想を練り、改めて「週刊連載」で発表する……。「しまぶー、新連載が始まったのか」とのんびり構えて読んでいましたが、よく考えればそこには尋常ならざる覚悟が必要だったはずです。改めて、すべての週刊連載中のマンガ家の先生に敬意を表したく思います。
(片野)