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彼らなしでは成り立たない? ロボットアニメの優れた「整備士」たち

情熱が強すぎて「やりすぎ」な整備士も

『機動戦艦ナデシコ』では、メカへの過度な情熱を発揮するウリバタケ・セイヤが活躍する。画像は「機動戦艦ナデシコ Vol.1」DVD(キングレコード)
『機動戦艦ナデシコ』では、メカへの過度な情熱を発揮するウリバタケ・セイヤが活躍する。画像は「機動戦艦ナデシコ Vol.1」DVD(キングレコード)

● 親分肌の整備の神様「榊清太郎」

『機動警察パトレイバー』に登場した榊清太郎こと榊班長は、ロボットアニメにおける整備員の理想を体現した存在といえるでしょう。特車二課で整備班長を務める榊班長は「レイバー隊の闇将軍」「整備の神様」とあだ名されており、整備の腕はもちろん一流。OVA『アーリーデイズ 第6話 二課の一番長い日(後編)』では中野の警察学校に飾られているレイバーを「動く! 最後にこの俺が整備したんだ! 必ず動く!」と断言。事実シートは腐っていたものの、再整備なしでの稼働には成功しています。

 また、長年の功績からか本庁に出向けば部長クラスが玄関に迎えに出るほどの重鎮でもあり、人脈も広く、『機動警察パトレイバー the Movie』ではAV-98イングラムを製造した篠原重工の実山剛専務と古くからの知り合いであることも描写されています。

 実山専務との会話のなかで榊班長が語った「どんなに技術が進んでもこれだけは変わらねえ。機械を作るヤツ、整備するヤツ使うヤツ、人間の側が間違いを起こさなけりゃ機械も決して悪さはしねえもんだ」という言葉は、機械を扱うすべての人間にとって金言となるのではないでしょうか。部下のシバシゲオともども、非常に印象深いキャラクターです。

●趣味に走ったエンジニア「ウリバタケ・セイヤ」

『機動戦艦ナデシコ』に登場したウリバタケ・セイヤは、エンジニアがメカに対する愛情と情熱を暴走させるとどうなるかを教えてくれたキャラクターです。元々は町工場を経営するしがないエンジニアでしたが、裏では「改造屋」として知られており、腕を買われてナデシコの整備班班長兼管制官としてスカウトされます。

 ナデシコでは、予算をちょろまかしてはさまざまな機材や装備を改造し放題。ディストーションブロックやフィールドランサーなどを開発し火星古代文明との戦いに大きな貢献を果たしましたが、小型のグラビティブラストを搭載した「Xエステバリス」を製作した際にはさすがにやり過ぎたようで、明細書を見たミスマル・ユリカ艦長に問い詰められる場面もありました。

 既婚者で子供がいるにも関わらずアマノ・ヒカルを口説こうとするなど、自由奔放に過ぎるところもありましたが、劇場版『機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』では奥さんが妊娠中で子供も多かったことからルリはスカウト対象から外していましたが、奥さんと喧嘩をしてまで参加を決意する仲間思いの一面も持っています。

(早川清一朗)

【画像】ロボットアニメの名整備士たちが手掛けたマシンたち(5枚)

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