『鬼滅の刃 遊郭編』宇髄天元の妻たちの見どころ3選 振り返り視聴で堪能したい!
戦場で見せる夫婦愛は切なく、美しい

●3人の妻たちの戦場での働き
第8話では上弦の陸・妓夫太郎(ぎゅうたろう)と堕姫の兄妹の前に天元、炭治郎、善逸、伊之助が集結し、戦いはいよいよ激化します。その裏で、まきをと須磨はケガ人を運び、街の人たちを誘導して避難させていました。
雛鶴は、まだ毒の抜けきらない体を引きずりながら裏道を移動し、次に天元と妓夫太郎が戦っている近くの建物の屋根の上に姿を見せた時には手に大量のクナイを発射する装置を携えていました。そして、妓夫太郎にクナイの雨を降らせたのです。その姿は、バズーカを抱えたランボーのように悲壮で勇ましく、怒りに燃えているように見えます。まだ弱っている体で、鉄製のクナイを50本近く装着した装置を屋根の上まで運び上げ、それを抱えて狙い通りに放つ雛鶴の体力や気力は、さすが優秀な「くの一」と言えるでしょう。上弦の鬼を倒した後には引退を提案し、その時に4人がそろっていなくても……と言っていた彼女の覚悟のほどを思うと胸が痛みます。
攻撃を受けた妓夫太郎は、はじめは、「なんだ。クナイか。柱を前にこの数すべてをさばくのはめんどうだなあ」と、あなどっていましたが、即座に「いや、そんな無意味な攻撃、今、するか?」思い直し、斬撃(ざんげき)で天蓋(てんがい)を作ってクナイをはじきました。一方の天元は自分の体にクナイが刺さるのも意に介さず突っ込み、毒が塗られたクナイが妓夫太郎の足に刺さったことでできた、ほんの一瞬の隙を狙って襲い掛かったのです。
しかしこの時に天元は頸を斬ることができず、妓夫太郎に襲われた雛鶴はピンチに立たされます……。大人の頼れる男、天元が我を忘れたように雛鶴の名前を絶叫するシーンは何度、繰り返し見ても胸が締めつけられます。
アニメ最終回のラストに見せた、天元の派手な笑顔と3人の妻たちの泣き笑いは、4人が一緒にいられる幸せを心から感じる、何度も見直したいシーンです。
(山田晃子)