「必殺技」なしでも強すぎる、ジャンプ主人公3選 「大人の魅力」など共通点が多い?
ジャンプマンガの主人公の多くは、カッコイイ名前の必殺技を持っています。一方、必殺技は持たないけれど、普通にめちゃくちゃ強いキャラもいました。今回は、飄々(ひょうひょう)とした大人の実力者だった、ジャンプ主人公3人を振り返ります。
慶次の剣法はただのシャレ?
「週刊少年ジャンプ」のバトルマンガの主人公たちは、かっこいい名前の必殺技を決める場面が大きな見せ場になりますが、なかには必殺技や超常的な特殊能力なしで普通にめちゃくちゃ強いキャラもいます。今回は特にかっこいい主人公3人を振り返ります。
●『シティーハンター』冴羽リョウ
『シティーハンター』の主人公で、新宿を拠点に裏社会で暗躍する超一流スイーパー・冴羽リョウ。弾丸に弾丸を当てるほど精妙な射撃の腕はもちろん、格闘、頭脳、教養、声帯模写、料理の腕など、どれもずば抜けている超ハイスペック男性ですが、ドスケベすぎて数々のトラブルも起こしています。彼のトレードマークでもある股間の「もっこり」の強靭さも異常で、100キロの重りを支えたことすらありました。苦手なのは「貯金」と「女装」と「飛行機」くらいでしょうか。
特に必殺技などはなく、その場その場を最適解の行動で乗り越え、敵を倒しています。飄々(ひょうひょう)と自分の欲望に正直に生きているように見えて、依頼人や香や仲間を気遣う優しさも魅力です。幼いころからゲリラとして戦わされていたというハードな過去も作中で明らかになりましたが、そんな背景を持ちながら三枚目として振舞っているところも、「大人のかっこいい男」として多くの読者があこがれました。
●『花の慶次-雲のかなたに-』前田慶次
戦国時代に実在した武将であり傾奇者(かぶきもの)である前田慶次は、『花の慶次』では非の打ちどころがない完璧超人として描かれました。子供の頃からタイマンでクマを仕留めていたほどの戦いの天才で、武人としての強さはもちろん、甲賀の忍びの出でもあることから罠もすぐに見破り、ほとんどスキがありません。また、派手でいたずら好きとして振舞っていても、いざその気になれば礼儀作法も完璧、茶の湯や「伊勢物語」などを愛する教養人です。
そんな慶次の戦い方は我流であり、持ち前の人間離れした膂力(りょりょく)で相手をぶった切るというシンプルゆえに強いスタイル。「虎や狼が日々鍛錬などするかね」という名言通り、慶次の生まれついての強さゆえの闘法です。一応本人のシャレとして「穀蔵院一刀流」という名前を付けていますが、従来の剣術の型の影響はありません。実際、大体の敵は相手にもならず瞬殺されているので、必殺技を編み出す必要などない最強主人公といえるでしょう。