『地獄先生ぬ〜べ〜』の心温まるほのぼの回4選 ホラー回の後に読むと癒される…
ぬ〜べ〜にも希望を与えた妖怪と人間の恋物語
●濡れ女子に恋した男の巻……妖怪と人間の純愛ストーリー
雨の日に水辺に現れ、笑いかけて笑い返してきた男に取り憑き、じわじわと死に至らしめる恐ろしい妖怪・濡れ女子。しかし、濡れ女子が取り憑いたある男は、もともと不潔で陰気で、濡れ女子の能力で家じゅうをジメジメさせても全く気にせず、病気にもならないというさらに恐ろしい引きこもりオタクでした。
おまけに、変なコスプレまでさせられるようになった濡れ女子は、自分とその男を引きはがしてくれと、ぬ〜べ〜にお願いにやってくるのです。しかし、妖怪の特性ゆえにその男に取りついている彼女を引きはがすことはぬ〜べ〜にもできず、濡れ女子はやけになって男を車道に突き飛ばして殺そうとするのですが……。
この回では濡れ女子のかわいさと、自分を殺そうとした濡れ女子がピンチに陥っているのを見て、怪我をおして「君のためなら…死ねる」と全力で助けようとするオタクの男気が大きな見どころです。世間からはずれていた男にとっては、妖怪でもそばにいてくれる人は大事であり、妖怪と人間の垣根など関係なかったのでした。濡れ女子も彼の優しさに惚れ、ハッピーエンドとなります。
ぬ〜べ〜自身もこの回の数話前に、一度死んで記憶を失った雪女の恋人・ゆきめと再会しており、彼自身も人間と妖怪の恋に対して前向きになれた重要なエピソードです。
●種まき妖怪・たんころりんの巻……まことが見つけたエコ妖怪
ぬ〜べ〜クラスで一番見た目が幼い男子・まことはある日、工事中の空き地に種をまき、粉を振りかけてあっという間に植物を咲かす奇妙な妖怪を見ます。その妖怪はいたるところに緑を増やす、古い柿の木の精霊「たんころりん」でした。たんころりんが寝てしまったので、まことは彼が持っていた不思議な粉の入った袋をこっそり持ち帰ります。
まことがその粉を使ってみると、メダカが一気に繁殖したり、カイワレ大根が立派な大根に急成長したりと、とんでもない効果を発揮。クラスのみんなが粉の効果を知った後は、広の髪や美樹の鼻毛が異常に成長、ぬ〜べ〜の眉毛もびろびろに伸びるなど大騒動となってしまい、まことは叱られてたんころりんに袋を返しに行きます。たんころりんがいた空き地はアスファルトで固められてしまっていましたが、まことが袋を返すと、たんころりんはあたりに粉をまき、植物たちはアスファルトを突き破って急成長を遂げるのでした。
自然の生命力のすさまじさ、人間の環境破壊の問題などを描いた回ですが、まことが主人公ということもあって、全体的に牧歌的な雰囲気のエピソードです。袋を奪われたとわかっても全く怒らないたんころりんの懐の深さや、有害物質「六価クロム」がしみ込んだ土地でも緑を復活させる能力の高さも凄すぎます。
(マグミクス編集部)