マンガキャラを演じた俳優の肉体改造3選 『金カム』杉元役もビルドアップ必須?
マンガの世界には、現実離れした見た目の人物もしばしば出てきます。そんなマンガキャラを実写版で演じるにあたって、俳優たちがとんでもない役作りを見せたこともありました。今回はその「肉体改造」に着目して紹介します。
画面にあふれ出た役作りへの気合い
マンガの実写化においては、強烈なキャラを演じるために俳優が特殊な役作りをすることもしばしばあります。特に、キャラの「肉体」を再現するためには、かなりの努力が必要です。本日2022年4月19日(火)に「実写映画化」が発表されて大きな話題となっている『ゴールデンカムイ』でも、傷だらけの主人公「不死身の杉元」を演じる俳優は過酷な身体づくりに挑むことになるかも知れません。
今回は、過去に作られたマンガの実写化作品で、キャラクターを再現するために強烈な「肉体改造」を行った俳優たちを振り返ります。
●『俺物語!!』(2015年)で鈴木亮平が見せた、「20kg減量」から「30kg増量」の役作り
原作:河原和音先生、作画:アルコ先生の『俺物語!!』は、少女マンガのなかで異彩を放つ、屈強な男子高校生が主人公のラブコメ作品です。主人公・剛田猛男は高校生とは思えないほどの大きな身体にしっかりとした眉毛、立派なもみあげという第一印象が強烈な人物。
そんな同作の実写化で、当時32歳の鈴木亮平さんは中学3年生から高校1年生までの剛田猛男役を演じ、その役作りのためにわずか40日間で30kgの増量を行ったことが、話題になりました。当時鈴木さんは、前の仕事(2015年制作のドラマ『天皇の料理番』)で半年間で20kgの減量をしており、かなりきつい増量だったと考えられます。
その凄まじい役作りのおかげで、見事に猛男になり切った鈴木さん。映画は原作ファンも納得の出来となりました。ヒロイン・大和凛子(演:永野芽郁さん)を軽々と抱え火事現場をあとにするシーンなどは、ドシン、ドシンと足音が聞こえそうなほど屈強な肉体を拝むことができます。全編にわたって全力の熱演を見せた鈴木さんに対し、原作ファンからは「もう、猛男にしか見えない」「漫画の雰囲気をしっかりと保ったままで、ここまで仕上げてくるか。」といった賞賛、驚嘆の声があがりました。
●『宮本から君へ』(2019年)で真渕拓馬役・一ノ瀬ワタルが人生をかけた大増量
新井英樹先生の同名マンガを実写化した『宮本から君へ』は、ドラマに引き続き原作ファンも納得の高評価を得て、数々の賞も受賞する成功作となりました。
映画で描かれたのは主人公・宮本浩が中野靖子と交際してから、ある悲劇を迎える原作の完結までの終盤部分。同作において、重要な役割となる悪役・真渕拓馬を演じたのは、「HiGH&LOW」シリーズなどで知られる元格闘家の俳優・一ノ瀬ワタルさんです。
原作に大きく感銘を受けたという一ノ瀬さんは、大学ラグビーで「怪物」と呼ばれた男・拓馬を演じるために、体重を「110キロ」に増やすと真利子哲也監督に約束し、2か月で33kgの増量を決行。インタビューで「この作品を撮り終わったら、死んでも良いと覚悟して挑んだ」と語るほどの肉体改造と気迫は画面にも反映され、初登場の夜の路上のシーンから「異質」とも言える存在感を発揮しています。
序盤の靖子を襲う場面の狡猾さや、宮本の歯を折る場面の怪力の説得力、そしてクライマックスの非常階段での決闘シーンでの惨めなやられっぷりまで、拓馬役を熱演しました。分厚い圧倒的な肉体の裏にある情けなさまで表現しており、見事な演技を見せています。