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複数キャラを1人で演じる、声優の「かけ持ち」が多かったアニメ 「本人同士」がバトル!?

同じ声のキャラが戦うこともあったアニメ作品

 この声優のかけ持ちが楽しめる作品として、筆者がおススメする作品のひとつが『キン肉マン』(1983〜1986年)です。

『キン肉マン』もレギュラー陣のほとんどがかけ持ちをしている作品で、声優の声のパターンがよく分かる作品でした。たとえばペンタゴンの試合を応援するテリーマン。このどちらも田中秀幸さんが声をあてていました。リキシマン(原作ではウルフマン)と戦うケンダマン。両者とも広瀬正志さんが演じています。このように出演してる声優の声質の変化やテクニックが楽しめる作品でした。

 郷里大輔さんの演じていたアシュラマンは、「笑い」「冷血」「怒り」の三面でそれぞれ声が違っていたうえに、同じシーンに本来の担当キャラであるロビンマスクが出てくる時もあったのですが、それぞれ声質を変えて演技しています。

 もちろん、このキャラのかけ持ちにも一定のルールがありました。それが実況と解説者は基本的に戦う超人レスラーをかけ持ちしないというものです。そのため、アナウンサー役の戸谷公次さん、解説者の中野さんのはせさん治さんは超人レスラーをほとんど演じていません。

 もっとも『キン肉マン キン肉星王位争奪編』(1991年)で中野さんを演じた千葉繁さんは、テンション高めの声で解説しながら、渋いトーンでキン肉マンソルジャー(キン肉アタル)を演じる妙技を見せていました。

 このキャラのかけ持ちが多すぎて初見の人が混乱しそうな作品が『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』(1985〜1986年)です。

 初期の登場人物(トランスフォーマー)の数は30人を超えているのですが、作品で常駐している声優の数は10数人。最初からかけ持ちが前提となっていました。しかも物語が進むにつれてキャラの数は100人を超えるのですが、声優の追加はほとんどなく、ひとりで何人ものレギュラーキャラを担当するという有様です。

 前述した作品ではいずれも主役の兼任はさすがになかったのですが、本作では両軍のリーダーであるコンボイ役の玄田哲章さん、メガトロン役の加藤精三さん共に両軍のエース級の戦力であるオメガ・スプリーム、デバスターというキャラも演じていました。もちろん会話シーンも普通にあります。

 海外作品と言うことで作画ミスにより別人みたいになっているカットも多々あるうえに、時には予告もなく声優の変更もあるので、なじみのない人はあっけにとられるかもしれません。もっともひとつのエピソードで出てくるメンバーは最大でも数十人程度なので、なれると声優さんの妙技を楽しめる作品として面白いと思います。

 以上、筆者が声優の妙技を楽しめると感じた作品でした。他にもいくつも声優のかけ持ちが楽しめる作品はあると思いますが、1990年代以降はあまり記憶にありません。こういったお遊び要素があった方がいいのか分かりませんが、少し寂しく思います。

(加々美利治)

【画像】同じ声優が同時に演技!? 驚愕の作品

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