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マンガ・アニメで使われがちな超重要理科知識3選 「熱膨張」は魔法バトルでも有効

電気の使い方でバトルが盛り上がる!

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●ゴムは電気を通さない「絶縁体」

 バトルマンガにおいて、「電磁砲」「雷」など「電気」由来の能力は欠かせません。こうした「電気」を駆使した戦闘で大活躍するのが、「電気を通す物質=導体」「電気を通さない物質=絶縁体」というこれまた基礎的な理科知識です。

 絶縁体の代表的な例といえば「ゴム」です。これをバトル作品と言って良いのかはさておき、アニメ『それいけ!アンパンマン』(原作:やなせたかし)でも、電気を放出する「くらげまん」というキャラに立ち向かうため、アンパンマンはゴム手袋を着用します。幼少期から「ゴムは電気を通さない」という理科知識は、私たちの心に刷り込まれていたのです。

 さらにこれまた超国民的マンガ『ONE PIECE』でも、「ゴロゴロの実」の能力者で雷を操る最強の神エネルとの対戦において、ルフィが「ゴムゴムの実」の能力(=絶縁体)という設定をこれでもかと活かし、相手の攻撃を無効化させました。

●水は電気を通す「導体」もバトルマンガでは欠かせない理科知識

「絶縁体」とは真逆の「電気をよく通す物質=導体」の存在もまた、バトルを盛り上げる心強いパートナーです。なかでも「水」が「電気」をよく通す、という性質は外せません。

 これは教科書というよりもゲーム、そしてアニメの『ポケットモンスター』で知ったという人も多いでしょう。「みずタイプ」のポケモンは「でんきタイプ」の攻撃に弱いという仕様になっています。アニメ『ポケットモンスター』の第5話「ニビジムのたたかい!」ではニビシティのジムリーダーのタケシが繰り出すイワーク(いわタイプ)に、ピカチュウが大苦戦。しかし、そこでスプリンクラーが作動してイワークが水浸しになり、「導体」となった相手にピカチュウは電気を食らわすのです。

 冒頭でも述べたとおり、「鎧を砕くほどの急激な冷却に果たして人間が耐えられるのか」や「ゴムも電圧によっては絶縁破壊で電気が流れる」「水も純水に近ければ電気抵抗が高まる」などなど、作中で言及されている以上の疑問を持ち込むことは避け、まずは何より私たち誰もが知っている理科の知識がマンガやアニメをこうも盛り上げてくれていたのだということを、しみじみ感じたいと思います。「勉強なんて何の役に立つのか」と言えば……バトルマンガを楽しむことに役立っていたのです。

(片野)

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