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安彦良和監督『ククルス・ドアンの島』 マ・クベが口にするセリフの引用元は?

劇場アニメ『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の公開が始まりました。1979年〜80年に放映されたTVシリーズ『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイン、またベストセラーコミック『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の作者として知られる安彦良和氏の監督作です。24分のエピソードだったTV版「ククルス・ドアンの島」は、どんな劇場アニメに変わったのでしょうか。

40年ぶりの帰還、15歳のアムロ・レイ

『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』で描かれる、少年時代のアムロ(右)とフラウ・ボゥ(左) (C) 創通・サンライズ
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』で描かれる、少年時代のアムロ(右)とフラウ・ボゥ(左) (C) 創通・サンライズ

「オヤジにもぶたれたことないのに」

 そんなセリフも懐かしい、15歳のアムロ・レイが40年ぶりに帰ってきました。安彦良和監督の劇場アニメ『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』が、2022年6月3日より公開が始まりました。

 今回の劇場版は、1979年〜80年に全43話がTV放映された『機動戦士ガンダム』の第15話「ククルス・ドアンの島」のリメイクとなります。ファーストガンダムのメインストーリーから外れた、南海の孤島を舞台にした1話完結の物語だったため、劇場版三部作には収められていません。地味で、目立たなかった24分の短いエピソードが、上映時間108分の見応えのある劇場作品に仕上がっています。

 アムロたち「ホワイトベース」のおなじみのクルーたちに加え、TVシリーズでは第31話から登場したスレッガー・ロウ中尉が、新しいクルーとして加入しています。3DCG化されたRX-78-02ガンダムもかっこいい、新しく生まれ変わった『ククルス・ドアンの島』の見どころ、気になるふたつのキーワードを紹介します。

第二次世界大戦時に語られた「パリは燃えているか?」

 往年のガンダムファンは、懐かしい旧友たちと再会したような想いが込み上げてくるのではないでしょうか。ブライトさん、ミライさん、セイラさん、そしてカイ、ハヤト、フラウ・ボゥ……。地球連邦軍とジオン軍との一大決戦となる「オデッサ作戦」を前に、「ホワイトベース」は南海の孤島に潜むジオンの残党狩りを命じられます。ジョブ・ジョンが操縦する「ガンペリー」に乗って、アムロたちは、「帰らずの島」と呼ばれる小さな孤島に向かいます。

 無人島と思われていた「帰らずの島」には、子供たちがひっそりと暮らしていました。元ジオン兵のククルス・ドアンが、畑を耕しながら戦災孤児たちの世話をしていたのです。TV版では子供たちは4人でしたが、劇場版では20人に増え、ちょっとしたコミュニティとなっています。負傷したアムロは、島に滞在することに。映画の序盤は、TV版の設定に基づいたものとなっています。

 ジオン地球侵攻軍の司令官マ・クベが登場する物語中盤から、オリジナル色がいっきに強まります。オデッサでの決戦を控え、劣勢に立たされているマ・クベは、ある台詞を口にします。

「パリは燃えているか?」

 この言葉は、第二次世界大戦末期にナチスドイツを率いたアドルフ・ヒトラーが発したものです。一時はフランスの首都・パリまで占領したナチスドイツでしたが、レジスタンスの反抗と連合軍の進攻により、フランスからの撤退を余儀なくされます。その際、ヒトラーは「連合軍にパリを渡すな。奪われるくらいなら、街を燃やせ」と部下に命じたのです。

 歴史上の結果を言えば、戦争犯罪者になることを恐れた部下は、ヒトラーの命令に従いませんでした。敗戦が濃厚となったナチスドイツは、もはや一枚岩ではなかったことが分かります。

 TV版は孤島だけの限定された物語でしたが、劇場版は連邦軍とジオン軍の命運を左右するスケールの大きな展開が待っています。

【画像】『ドアンの島』激突するガンダムとザク…セイラさん等なつかしい面々も(12枚)

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