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『ガンダム』なぜモビルスーツはデカくなっていった? 進化の歴史から見る大きさの推移

大型化をたどるMSの進化

ガンダムも万能化を目指して巨大化。vガンダムはその代表と言えるだろう。画像は「MG1/100 RX-93 vガンダム」(BANDAI SPIRITS)
ガンダムも万能化を目指して巨大化。vガンダムはその代表と言えるだろう。画像は「MG1/100 RX-93 vガンダム」(BANDAI SPIRITS)

『機動戦士Zガンダム』の舞台となるグリプス戦争では、一年戦争とはMSの重要度が大きく変わっていました。一年戦争では、量産型機を小隊や中隊単位で運用する戦いが一般的でしたが、戦いの規模が小さくなったグリプス戦争では、そうした集団運用よりも、1機のモビルスーツに多用途性を求めることになります。

 その結果誕生したのがMS形態に変形する可変モビルアーマーや、MSから変形して機動性や移動性能の向上などをはかる可変MSです。この時期になると、母艦となる艦船も一年戦争時代から設計が変化し、大型化したMSの運用も前提とした設計になっていったと考えられます。そして、グリプス戦争の後半では、変形せずに機動性と火力を両立させることを目的としたジ・Oのような機体や、サイコミュを搭載したキュベレイといった機体も登場しはじめます。

 艦隊規模の戦いではなく、単体のMS同士の戦いが陣営の趨(すう)勢を決めるような戦いでは、MSの火力の増強と機動性の向上という要素がさらに重要視されていきました。そして、引き続きの戦いとなる第一次ネオ・ジオン戦争では、人工的なニュータイプである強化人間を戦場に大量投入することでより有利に戦おうとする結果、サイコミュ・システムを内蔵したMSが数多く登場。その状況に対応すべく、「ガンダム」も巨大化の道を歩み始め、ZZガンダムのような大火力を重視した機体が登場するようになります。

 このようにMSの大型化に拍車が掛かっていく流れは、まさにMSの恐竜的進化をたどります。恐竜的進化とは、身体をどんどん大きくしていった結果、莫大なエネルギー料が必要となるながれで、MSの大型化はここで1度終わりを告げることになります。

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で描かれた第二次ネオ・ジオン戦争では、大火力を駆使する戦い方は鳴りを潜め、艦隊とMSが連動する戦いへと退化しました。しかし、サザビーやvガンダムといった、サイコ・フレームを活かしたニュータイプ用のMSの小型化は難しく、全高20m以上というサイズ感となっていました。その流れは、『機動戦士ガンダムUC』におけるラプラス事件頃まで継続することになります。

 しかし、MSの大型化はまだ留まることはありませんでした。MSの大型進は、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』で最終局面を迎えます。大火力化、サイコミュ兵器導入に加えて、MSの機動性の向上に力が入れられた結果、艦船などを大気圏内で浮かすことができた「ミノフスキー・クラフト」の技術を応用したミノフスキー・フライト・システムを搭載。MSが大気圏内を自在に飛行するという領域に達しましたが、まだミノフスキー・フライト・システムの小型化には限界があり、全高こそvガンダムとは変わらないものの、機体のボリューム感は過去最大のサイズとなっていきました。

 そして、そうした大型化に伴い、エネルギー効率の悪化や整備施設や資材の大型化などという整備性や運用性の悪さなどの弊害も限界に達することになります。大型化はここに来てまさに袋小路へと達したと言えるでしょう。

 こうしたMSの大型化は運用効率の悪さがが、MSは小型化を目指す次代が到来します。そして、それから約20年の年月を経て、『機動戦士ガンダムF91』の時代にはMSは15mサイズに小型化され、運用性が見直されることになりました。

 MSの大型化は、MSに兵器としての万能性を求めるがゆえに起こった爆発的な進化の結果であり、その欲張りな考え方の限界が、MSの小型化という新たな時代を呼び寄せることになったと言えるでしょう。

(石井誠)

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