『ジョジョ』の使いづらいスタンド4選 もらっても困る? 使い手にも特殊能力を要求
スタンドも凄いけど…一番凄いのは本体では?

●第6部 風水知識と身体能力ありきの「ドラゴンズ・ドリーム」
6部のなかでも特殊なバトルを繰り広げたのが、暗殺風水の使い手・ケンゾーのスタンド「ドラゴンズ・ドリーム」です。絶対安全な「吉の方角」と絶対危険な「凶の方角」を知ることができるため、カンフーと太極拳、そして風水を極めたケンゾーからすれば最高のスタンドでした。ケンゾーが40年かけて身につけた風水の叡知(えいち)がスタンドとして発現したものであり、「吉」の安全圏から相手を「凶」へと知らぬ間に誘い、死に至らしめる「暗殺風水」はまさしく驚異です。
さて、こちらの「ドラゴンズ・ドリーム」のスタンドとしての最大の特徴は、「中立」であること。あくまで方角を教えてくれるだけで、「凶」の方角を「吉」にしてくれるわけではないのです。おまけに、敵にまでアドバイスを与えます。
もし、一般人がこのスタンドを手にしたら……端的に「風水アプリ」になると申し上げざるをえません。相手に直接攻撃を加えたり、「凶の方角」に追い込んだりするためには、別の技能が必要です。ケンゾーのように使って護身するには、長い修業が必要でしょう。
ただし世間話に付き合ってくれたり、ラッキーアイテムを教えてくれたりするので、日常生活の寂しさを埋めて、人生をより良い方向に導いてくれそうです。アニメで絶賛された、チョーさんの声のままだとなお良いですね。
●第7部 「座標」知識が必要な「チョコレート・ディスコ」
第7部「スティール・ボール・ラン」にも、特殊技能が必要なスタンドが登場します。たとえば、ヴァレンタイン大統領の刺客として登場した珍奇な見た目のディ・ス・コが操る「チョコレート・ディスコ」(連載時はチョコレイト・ディスコ)は、シンプルながら扱いが難しそうなスタンドでした。
能力はX座標とY座標を指定し、地面に出現させた対応するマス目に自由に物質を落下させたり、攻撃を加えたりできるというもの。腕に装着したパネル状のスタンドで座標軸を細かく操作でき、戦ったジャイロからは「無敵」と称されました。しかし、いざ自分がこのスタンドをもらって使うと考えると、そもそも「座標を指定」することが大変です。確かに定めた「座標」には精確に攻撃を与えられますが、相手の位置情報はあくまでも目視判断であり、瞬時の情報処理能力が必要とされます。
攻撃にも防御にも適したスタンドですが、地面に出したマス目の範囲に相手を入れるにはある程度接近せねばならず、実戦で使えるようになるにはかなりの訓練が必要でしょう。相手の攻撃が迫りくるなか、冷静に目視で座標を指定する精神力、頭脳、指の動きの正確さ、用意する武器の周到さ……比較的短い戦闘描写で敗れたディ・ス・コですが、相当の才能と経験値を持っていたのかもしれません。
こうして振り返ると、やはりスタンドをフルに操れるのは、その能力を発現できる人です。その能力をどう生かし、成長させるかもまた、その人次第。こうした人間の可能性を最大限に肯定しているからこそ、『ジョジョ』は永遠の人間賛歌物語なのです。
(片野)







