『聖闘士星矢』海皇ポセイドンと海闘士らの実力が「微妙」だったワケ
ギリシャ神話の女神アテナに従い、地上を守る「聖闘士(セイント)」の活躍を描くマンガ『聖闘士星矢』の「ポセイドン編」では、双子座のカノンにより目覚めた海皇ポセイドンと海闘士が地上を浄化するために、水没させようとします。このポセイドンと海闘士、はたしてどの程度の実力なのでしょうか。
「ハーデス編」の中ボス、タナトスの方が強い?
1986年に連載開始され、2022年の現在までに5000万部を超える大ヒットを記録した少年マンガ『聖闘士星矢』は、ギリシャ神話を題材とした壮大な世界観や、星座をモチーフとした鎧「聖衣(クロス)」、人間の内に眠る小宇宙(コスモ)を爆発させて奇蹟を起こす戦闘描写などが人気を博して、世界的に話題となった人気作品です。
シリーズの最新作として、海皇ポセイドンと海将軍を描く新シリーズ『聖闘士星矢 海皇再起 RERISE OF POSEIDON』(原作・車田正美/マンガ・須田綱鑑)が2022年9月から「月刊チャンピオンRED」で連載されています。
この最新作のもとになっているのは、オリジナル連載の中盤で描かれた「ポセイドン編」です。ストーリーは「十二宮編」の続きで、生き残った聖闘士たちは城戸沙織を仕えるべき女神アテナと認め、冥王ハーデスの復活に備えます。そんななか、アテナによって「アテナの壺」に封じられていた、オリンポス十二神の一柱・海皇ポセイドンの封印が破られます。
アテナとポセイドンは地上をめぐって何度も戦い、その結果としてポセイドンは封じ込められていたのです。
しかし、13年前、アテナ殺害を兄のサガに進言したことで、スニオン岬の岩牢に幽閉されていた双子座の聖闘士カノンが、アテナの壺を発見してその封印を解き、ポセイドンより彼に仕える海闘士(マリーナ)、「シードラゴンのカノン」と認定されます。
カノンは海皇ポセイドンの名前を借り、海闘士を集めます。そしてマーメイドのテティスに、地中海の大富豪ソロ家の嫡男・ジュリアンを拉致させました。
ジュリアンはポセイドンが地上に現れる時の「器」で、彼はポセイドンの意志と同化して、人間の罪から地上を浄化するために、大雨を降らせ、天変地異を起こします。
アテナである沙織は、ジュリアンを止めますが、ジュリアンは「アテナである貴女が、ポセイドン海底神殿を支えるメインブレドウィナの中に入り、地上に振る大雨を受ければ、災害が軽減される」と提案します。ポセイドンの狙いは、アテナを人柱にすることで、地上の手に入れるだけでなく、メインブレドウィナを強固にするというものでした。
沙織は地上の人びとのために、これを了承。そのことを知った青銅聖闘士の星矢たちは、アテナと地上を救うために、海底神殿に乗り込みます。しかし、メインブレドウィナを破壊するには、七つの大洋を支える柱を破壊しなければならないと判明。星矢たちは、それぞれの柱を守る「ポセイドン7将軍」と戦い、これを撃破します。
星矢たちは海皇ポセイドンを退けて、メインブレドウィナにたどり着こうとしますが、あらゆる攻撃を反射するポセイドンに為すすべがありません。射手座の黄金聖衣と仲間の助力を得てポセイドンに矢を命中させると、ポセイドンは「ジュリアンとしての自我」を取り戻します。その間に、メインブレドウィナにたどり着いた星矢たちですが、星をも砕くという天秤座の武器をもってしても、傷ひとつつけられません。
星矢は、仲間の紫龍と氷河の必殺技によってメインブレドウィナに飛ばされ、そして究極まで小宇宙を高めて、メインブレドウィナの原子を砕く奇蹟で、アテナを救出します。
復活したアテナに対し、ポセイドンとしての自我を取り戻したジュリアンが三叉の鉾を向け、殺害しようとしますが、アテナに岩牢で溺れかけた自分を救ってもらった事実に気づいたカノンが身を挺して庇い、鉾を防ぎます。アテナはメインブレドウィナに封じられていた「アテナの壺」を開け、再びポセイドンを封印するのです。