『スパイファミリー』のラスボスは誰? デズモンドではない可能性も
秘密を抱えた3人が頑張って暖かい家庭を維持していく様子がコミカルでほほえましい『スパイファミリー』。家庭を維持するには世界の平和を守らなくてはいけません。ロイドやヨル、アーニャたちが本当に倒さなければいけない敵は誰でしょうか?
アーニャを中心にした疑似家族が世界を救う!

心が読める幼女「アーニャ」と女暗殺者の「ヨル」、敏腕スパイの「ロイド」が、お互いに秘密を抱えたまま疑似家族を維持するために奮闘する『スパイファミリー』。可愛い絵柄と愉快な演出が特徴のホームコメディですが、実は主要キャラクターは暗い過去を抱えており、大切なものを守るために戦っています。この記事では『スパイファミリー』における本当の敵について考察します。
※この記事では『スパイファミリー』の未アニメ化の内容を含みます。ご了承の上お読みください。
●登場人物に共通する暗い過去、戦争の影
本作の主要人物は暗い過去を背負っています。例えばコードネーム「黄昏」こと敏腕スパイのロイドは西国(ウェスタリス)の戦災孤児でした。家族を失ってから復讐のために年齢を偽って兵士になった後、無知の罪を思い知ります。そこで戦争そのものを抑止するため、スパイのスカウトに応じたのです。
「いばら姫」ことヨルは両親を亡くした後、幼少期から東国(オスタニア)の暗殺組織「ガーデン」でウェットワークに手を染め、殺しの対価で弟を養ってきました。そのせいか少女のように純真で優しい心を持ちながら、殺人に忌避感がありません。この奇妙なアンバランスさはコメディとしてはいささか重すぎで、ディストピアSFの傑作『1984年』で語られる二重思考そのもの。ヨルのメンタルがこの先も大丈夫なのか、一読者として不安に感じるほどです。
アーニャに至っては「被検体007」と呼ばれる人体実験の被験者です。人体実験を施した組織や両親については謎に包まれていますが、アーニャの年齢からして戦中ではなく戦後に実験が行われたことは明らかです。
さらにペットのボンドは動物実験のプロジェクト「アップル」被検体8号ですし、情報屋のフランクリンも兵士として戦場を経験しています。このように主要な登場人物はひとり残らず戦争や犯罪によって本来あるべき人生を失っており、だからこそ平和の重要性が身に染みているのです。




